「臨時農地等管理令」という昭和16年の勅令(議会を経ていない天皇の発する命令)の昭和19年改正時点で登場します。
実際は旧字体で「賭地權」(「かけちけん」と読むと思われます)と書くそうです。この命令は,現在の農地法と似た法令で,農地の処分には,地方長官(旧憲法の都府県知事等)の許可が必要であるという内容になっています。
「賭地権」は朝鮮半島を中心として,永小作権等を転貸するための権利となります。転貸には,土地所有者の承諾を必要とせず,自由に転貸できたとのことです。中間者(原永小作権者)が賭地権者(転永小作権者)から小作料を受け取り,その小作料より少ない原小作料を土地所有者に払うことによって中間利益を得ることがこの権利の目的だったようです。
(参考:京都大学情報リポジトリ「宮嶋博史著 <論説>朝鮮甲午改革以後の商業的農業 : 三南地方を中心に」67頁)
但し,旧不動産登記法に規定がないため,登記はできなかったものと思われます。
(違っていましたら,情報提供をお願いします)
また,同勅令は,農地法に移行していったとのことです。
(参考:広島大学経済学会 「坂根 嘉弘氏 臨時農地等管理令に関する基礎研究 : 臨時農地等管理令第3条・第5条・第7条を中心に」)