ISO品質管理は経営者をゆううつにさせるらしい

ISO9001は製造業を中心に会社が認証を受けています。中小企業においても品質管理の国際標準化の波に乗らなければならず,ISOの認証を受けている会社も多いかと思います。

ISOは品質管理の9000系,環境の14000系,情報セキュリティ管理の27000系等いずれの規格も「規格の標準化」や会社のさまざまな「仕組み」を規格のモデルにあわせることを目的とするため(参考 一般財団法人日本品質保証機構:「ISOの基礎知識」),実質主義的な会社経営と,「形式主義」的なISO運営との乖離が生じやすく,ISOの運営がきつくなるようです。

特に中小企業の会社経営者や一部の上層部がISOの規格の認証を得るために努力を重ねてしまうことにより,かえってISOをほとんど知らない社員にとって,仕事の運営に対する障害に思われてしまい,社内で軋轢が生じることもあります。
また,認証の維持にコストがかかったり,文書管理が煩雑になりがちです。
(参照 日経XTECH「ISO9001を活かす会社,活かせない会社」)

実際,何人かの経営者様には,「ISOはものすごく大変だった」という声を多くあります。ISOをやめてしまう理由としては,「費用面」と「余計な仕事が増える」というものが多いようです。
(参考:社団法人 中小企業診断協会 長野県支部「平成 21 年度 調査・研究事業
ISOマネジメントシステムの有効活用に関する調査研究 報告書
」)

製造業の経営者は,退任するとISOの運用から解放されたと思うようです。しかしながら,ISOの認証は会社にとって「役にたった」しているところが圧倒的に多いのも事実です。
(参考 三菱UFJリサーチ&コンサルティング社「コンサルティングレポート『ISO による活動成果と今後の経営課題に関する調査アンケート』結果報告」)

会社内でISOに適した社員を選出し,ある程度社員に運営を分散して,ISOの維持管理につなげられたら良いかと思われます。