未登記建物の問題点と留意点

不動産実務において、「未登記建物」は決してめずらしいものではありません。日常業務の中でも、一定数存在していると感じます。

未登記建物の主な類型

未登記建物といっても、その内容は一様ではなく、例えば次のようなものがあります。

・建物全体が登記されていない完全な未登記
・増築部分のみ未登記
・一部解体後の変更が未登記
・附属建物の新築・解体が未登記

未登記に気づく端緒

次のような事情から未登記が判明することがあります。

・固定資産評価と登記内容が一致しない
・建物の棟数が異なる
・著しく古い建物(例:草葺等)が登記上残っている

未登記建物のリスク

未登記建物は、実務上いくつかの不都合を生じさせます。

・融資時に表題登記の修正を求められる
・課税対象となっていない場合、所有関係の立証が困難になる
・土地・建物の売買や信託や贈与等の際、登記と現況の不一致により取引の支障となる
・現地を知らない第三者にとって、登記以外に現況把握の手段が乏しい

義務か否か

本来、未登記建物の表題登記や変更登記は義務とされており(例 不動産登記法第47条から第52条など)、未登記建物は可能な限り解消しておくことが望ましいといえます。
もっとも、実務上は相当数存在しており、早期の確認と対応が重要です。

売れない・貸せない・担保にできない?未登記建物の重大リスク

相続登記の手続きを進める場面や、いざ土地建物を売却しようとする場面で顕在化しやすいのが、未登記建物のリスクです。

未登記といっても、いくつかの類型があります。

1.増築や一部解体をしたにもかかわらず、その変更登記をしていない場合
2.旧建物を解体したにもかかわらず滅失登記をしていない場合
3.建物を新築した際に、そもそも表題登記をしていない場合

発見のきっかけとして多いのは、都や市町村が管理する固定資産評価を確認したときです。評価の対象となっている建物と、登記簿上の建物の内容とが大きく異なっている場合があります。

固定資産評価上の床面積と登記上の床面積が異なること自体は、評価基準の違いから比較的よく見られます。しかし、固定資産評価には家屋番号が付されていない場合などは、未登記建物である可能性が高いといえます。

未登記部分が判明すると、当該部分について第三者に対抗できないという問題が生じ、次のようなリスクが現実化します。

1.そのままでは第三者に売却できない可能性がある
2.融資の際に、金融機関等から担保設定の前提として登記を求められる可能性がある
3.他の土地の共有者や賃借権者等の権利者に対し、自身の所有であることを主張できない可能性がある

未登記部分が判明し、登記を要する場合には、測量や現況確認などの手続が必要となるため、土地家屋調査士へ依頼することになります。

未登記建物のリスクは、日常生活の中では見過ごされがちですが、いざという場面で大きな支障となることがあります。ご自身の建物という大切な財産を適切に保全するためにも、一度、状況を確認されることをおすすめします。

(最近増加しているご相談に対する事例を元にしています。早めのご相談をおすすめします。)