名義預金は通用しない・・国税庁が示した最新事例

例年どおり,前年度分の相続税に関する税務調査の状況について,国税庁から公表がありました。
(国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」)

本資料では,主に次の点がまとめられています。

・相続税の実地調査の状況
・相続税の簡易な接触の状況
・相続税の無申告事案に対する実地調査の状況
・相続税の海外資産関連事案に対する実地調査の状況
・贈与税の実地調査の状況

詳細な分析は税理士の先生方にお任せするとして,国税庁のアナウンスを要約すると,おおむね次のとおりです。

相続税については,実地調査が増え,その結果として追徴税額も増加している
 → 調査件数・指摘額ともに,調査が強化されているように感じられる

「簡易な接触」は,件数・指摘内容ともに過去最高水準
 →当局からの電話等による軽度な接触であっても,申告漏れの把握が大きく進んでいる

無申告事案に対する調査では,追徴税額が過去最高
 → 申告していないケースに対する当局の対応が,より厳格になっている

海外資産に関する申告漏れは,件数・金額ともに増加
 → 海外資産についても把握・追及が進んでいることが明確

贈与税は,調査件数自体は減少しているが,追徴税額は増加 

また,本資料には「相続税調査事例」も掲載されています。
特に興味深いのは,事例②の「名義預金」に関するケースです。

被相続人名義の預金口座から,相続人やその家族名義の預金口座へ多額の資金移動が行われており,これについて国税当局は,相続税の納税を免れる目的で,被相続人の財産が相続税の基礎控除以下となるよう,意図的に預金移動が行われたものと認定したようです。

名義預金については,問題となりやすい論点ですが,あらためて十分な注意が必要であることを示す事例といえるかと思われます。