最近,「相続登記を自分でやってみようと思うのですが……」というご相談を行政相談等でいただくことがあります。
確かに,ある条件がそろえば,ご自身で手続きを進めることも可能です。その条件とは,主に以下の3つが考えられます。
◆ 自分でできるのはこんな場合
1.とにかく時間がある
役所や法務局に何度か足を運び,書類を集めるだけの時間的な余裕があること。
2.必要な書類がある程度作成できる
職場等で経験があることにより,戸籍謄本などを読み解き,登記申請書や遺産分割協議書などを正しく作成できること。
3.相続の内容がシンプルである
相続人が少なく,遺産も土地や建物が数件程度など,被相続人の名義が正確である等,複雑でないこと。
これら3つの条件がそろっていれば,なんとか自力で相続登記を行うことも可能かもしれません。
とはいえ,実際には次のようなリスクもあります。
◆ よくある注意点とリスク
● 登記漏れのリスク
不動産を一部見落として登記し忘れると,後になって「名義が故人のまま」と発覚することがあります。時間が経つほど手続きが複雑になりがちです。
● 法律判断が必要な場面
相続人に代襲相続がある,遺産に共有持分がある,先々代の相続など,専門的な判断が必要なケースでは,誤った処理をしてしまうおそれがあります。
● 書類の収集・作成が大変
戸籍謄本や住民票,評価証明書の取得,登記申請書の作成など,慣れていないと苦労する作業も多くあります。
● 手続きに時間がかかる
準備から申請完了までには時間がかかり,平日に動く必要があるため,仕事や家庭との両立が難しいことも。
● やり直しが難しいケースもあります
相続登記は,一度申請して完了すると,あとから簡単に修正はできません。
たとえば…
・不動産の一部を登記し忘れていた
・間違った分け方で登記してしまった
・協議書の内容に不備があった
といった場合は,相続人全員で再協議を行い,新たに書類を作り直す必要が出てきます。時間が経てば経つほど,協議が難航したり,相続人の所在が分からなくなるリスクもあります。費用負担が発生する(結局司法書士に依頼する,相続税・贈与税を過大に支払う等)のおそれもあります。
◆ 司法書士に相談する安心感
こうしたトラブルを防ぐためにも,最初の段階で司法書士に相談するのがおすすめです。必要な資料の確認から,正確な書類作成,申請手続きまで,しっかりサポートいたします。
当事務所では,相続登記に関するご相談を随時受け付けております。お気軽にご相談ください。