令和6年4月に施行された相続登記の義務化に伴い,全国で相続登記の件数が増加しているとのことです。
(参考:朝日新聞社「相続登記の義務化で件数『1割増』 最大10万円の過料の運用方針は」)
相続登記義務化の概要
この法律では,相続が発生した場合,相続人は原則として相続開始から3年以内に登記を申請しなければならないと定められています。
義務の施行前のものについての実際の期限は,令和9年3月末までとされていますが、それまでに対応しない場合,10万円以下の過料が課される可能性があります。
相続登記にかかる時間と費用
相続登記の手続きは,場合によっては次のような理由で時間と費用がかかります。
- 書類収集:
戸籍謄本や印鑑証明書,評価証明書など,手続きに必要な書類の準備に時間を要する。 - 費用負担:
登録免許税(固定資産税評価額の0.4%,非課税措置も一部あり)
司法書士への報酬(依頼内容や地域によるが数万円~数十万円)
他の相続人への代償金や謝礼など - 相続人間の調整:
相続人が複数いる場合,遺産分割協議に時間がかかることもある。
早めの準備が重要な理由
- 負担軽減
義務化期限が近づくほど手続きが集中し,司法書士や役所への依頼が混雑する可能性があります。余裕を持って進めることで負担を軽減できます。 - 過料リスクの回避
過料は1件あたり最大10万円とされており,これが相続財産ごとに適用される可能性もあります。忘れずに対応することが重要です。 - 家族への影響の最小化
相続登記を放置すると,次世代の相続人にさらに複雑な手続きを強いる結果となります。
まとめ
相続登記は,義務化によって手続きの重要性が一層増しましたが,早めに対応することで負担を軽減し,将来的なトラブルを避けることができます。
「まだ時間がある」と思わず,相続発生時には速やかに手続きの準備を進めましょう。必要に応じて,司法書士に相談するのも有効な手段です。