親がしている相続準備と,子どもがしてほしい相続準備のズレとは?

相続に備えて,親が行っている準備と,子どもが望んでいる準備には意外なズレがあるようです。このことについて,マイナビニュースにて興味深い調査結果が発表されていました。
(参考:マイナビニュース「親がしてくれている相続準備、1位は? 『遺言書作成』は2位」)


親がしている相続準備(上位3つ)

  1. 書類の保管場所の告知
  2. 遺言書の作成
  3. 資産のリスト化

子どもがしてほしい相続準備(上位3つ)

  1. 資産のリスト化
  2. 生前贈与
  3. 遺言書の作成

双方にズレがある理由は?

子どもの側では,単に「書類の保管場所を知るだけ」では不十分と考えていることがわかります。
近年では,通帳のないネット銀行口座、ネット証券口座、暗号資産(仮想通貨)などを持っている方も増えており,資産をリスト化しておかないと,相続人が存在を知らないままになってしまうリスクがあるからです。


「生前贈与」については慎重に

また、子ども側の希望には「生前贈与」もランクインしていますが,注意が必要です。
生前贈与は

  • 贈与税の税率が相続税よりも一般的に高額
  • 相続時精算課税制度を使うと,手続きが煩雑になる

などの理由から,慎重な検討が必要です。不利になることも多いです。


まとめ

どちらの立場にとっても,「資産リストの作成」と「遺言書の整備」は今後ますます重要になりそうです。
事前の準備で,家族間のトラブルや余計な負担を防ぐことができるので,早めに取り組んでおくことをおすすめします。