相続放棄した場合でも,相続財産の保存(管理)をしなければならない場合がある

令和2年4月の民法改正で,相続放棄してどなたが相続されるかわからない相続財産の,とりあえずの管理者について,明確に規定されています。

相続放棄したかたでも,占有をしている相続財産について,他の相続人や相続財産管理人が管理を始めるまでは,管理をしなければならないことになりました。(民法940条)

例えば,森林のような土地や不要な家屋を相続放棄した場合でも,占有者は費用を出して,とりあえずの管理をしなければならないことになります。

これは,管理が煩わしい故に,あえて相続放棄を選択しても,占有者,つまり相続人から管理を任されたり,流れで管理している場合には,管理を簡単に放棄できないということになります。相続放棄をする際には注意が必要です。