故人が亡くなったあとの手続きには,葬儀をはじめ,さまざまなものがあります。その中でも,「遺産の名義変更」と「相続税の申告」は,特に負担が大きく,煩雑な手続きにあたるといえるでしょう。
当事務所で主に関わるのは,このうち「遺産の名義変更」の手続きですが,相続発生前の段階で,「何か事前に対策をしておいたほうがよいのか」というご相談をいただくことが少なくありません。
事前対策の必要性は,ご本人の意識やご家族の状況によって差がありますが,次のような事情がある場合には,特に対策の重要性が高いと考えられます。
・相続人の中に,連絡が取れない方がいる場合
・相続人同士で,将来的にトラブルが生じる可能性がある場合
・相続人の中に,海外在住の方や,日本国籍でない方がいる場合
これらのケースでは,相続発生後に話し合いが難航したり,手続きが長期化することが珍しくありません。
相続対策として考えられる代表的な方法には,次のようなものがあります。
・公正証書による遺言書の作成
・自筆証書による遺言書の作成
・家族信託契約の活用
いずれの方法が適しているかは,財産の内容や家族構成,ご本人の考え方によって異なります。
早い段階で整理しておくことで,相続発生後の負担を大きく軽減できる場合もありますので,気になる点があれば,司法書士等に相談することをおすすめします。
年末年始は,相続のお話しを家族でするいい機会です。ご検討いただけたらと思います。
