新株予約権(ストックオプション)が未上場会社で発行を容易に

現行,非公開会社の新株予約権の発行と権利行使価格の決定等には株主総会の特別決議の必要があるところ,未上場のスタートアップ企業には「権利行使価格」と「取得可能期間」を取締役会で決められるよう緩和することが検討されているようです。
(日本経済新聞:「未上場の新興企業、株式購入権の発行容易に」)

新株予約権は,税制適格ストックオプションの制度の行使期間の伸長がされており,
(経済産業省:「ストックオプション税制」)
今後,年間の限度額の上限引き上げが検討されているようです。
(日本経済新聞:「ストックオプションの税優遇、年3600万円に上限引き上げ」)

新株予約権は,行使価格や取得可能期間によっては,他の株主や新株予約権者と比較して有利発行となるおそれがあるため,既存の株主利益のためにも慎重であってほしいものです。

定款作成支援ツールで会社設立も楽々

多少,知識が必要なので,会社設立は専門家(司法書士等)にご依頼いただければと思います。

日本公証人連合会では,「スタートアップ支援のため、定款認証に関する新たな取組を開始します。」というウェブサイトで,「定款作成支援ツール」を提供しています。
(日本公証人連合会:「スタートアップ支援のため、定款認証に関する新たな取組を開始します。」)

このツールを使ったところ,当職においては,20分くらいで,定款を作成できました。利用上の注意点としては,
1.エクセルのマクロを有効にする必要がある
2.ファイルのプロパティのセキュリティで「許可する」にチェックする必要がある(Window10以上)
です。

あくまでも,定款と実質支配者の申告書の作成のみができ,以後の電子署名や定款申請等には,別なツールが必要ですが,定型的な株式会社の設立にはこのツールは便利かと思います。ご活用ください。

令和5年度の休眠会社の整理

今年も始まったようです。

毎年法務省は,株式会社と一般社団法人,一般財団法人を対象に一定期間登記をしていない会社・法人にについて,通知や官報に公告を行って,届出のない場合にはみなし解散の登記をする手続きしています。

今年も上記の通知が発送されたようです。長期間役員の変更登記等をしていない株式会社などは,放置しているとみなし解散の登記をされてしまうので,注意が必要です。
(参考:法務省「令和5年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について」)

また,登記の長期の放置は,法律上過料制裁の対象となりますので,その点をご注意ください。(会社法第976条第1号,一般社団法人及び一般財団法人法第342条第1号)

官報による決算公告は,わずか1.8%

株式会社で「官報」での公告を指定してあるうち,決算公告を実際している会社は1.8%にとどまるとのこと。
(参考:東京商工リサーチ「官報で決算公告、株式会社のわずか1.8%」)

非公開会社といってもある程度,債権者や従業員,地域等に社会的責任を果たすため,情報開示されることを望みます。

令和4年度の休眠会社の整理

毎年,休眠会社の整理が行われています。
(法務省:「令和4年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について」)

12年以上登記されていない株式会社は,公告と通知が行われ,2か月以内に登記申請や届出がなかった場合には,みなし解散登記が行われます。(会社法第472条)

ここのところ毎年行われているものです。

会社の代表者の住所の表示が継続される

インターネットから有料で取得できる,登記情報における会社の登記の情報で,代表取締役等の会社の代表者の住所について,9/1から非表示となる予定であったようですが,法務省は,反対意見が多いことを理由に,表示を継続することにしたようです。
(東京商工リサーチ:「登記情報提供サービス、代表者住所の表示を継続へ 省令変更に「反対」多く」)

なお,DV被害者の住所非表示については,予定通り9/1に開始されるようです。

外国会社の登記の推進

メタ社(Meta Platforms. Inc.)とTikTok社が外国会社の登記をしたようです。
(日本経済新聞:「メタとTikTokが登記 法務省の要請に応じる」)

法務省が電気通信事業を営んでいる外国会社に登記を要請していたようです。外国会社は,日本で継続的に事業をするには,登記をしなければなりません。この規定に適合させるための対応かと思われます。

電子提供措置が会社の登記事項に

9/1施行の会社法において,定款の定めに基づいて株式会社の取締役が株主総会資料等の情報をウェブサイトに掲載し,株主に対してそのアドレスを株主総会の招集の通知に記載した場合には,株主の個別の承諾を得ていなくとも株主に対して株主総会参考書類等を適法に提供したことにする制度,「 電子提供制度 」が創設されることになりました。
(改正会社法第325条の2 電子提供措置)

この電子提供制度の定款の定めは登記事項になります。(法務省民事局長 「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて」)

また,この改正で,支店所在地における支店の登記が廃止されるようです。
(法務省 「商業登記規則が改正され、令和4年9月1日から施行されます」)

IT大手の外国会社の登記

未登記のIT関連海外法人が多いようです。

よく知られているIT企業の一部が本邦で未登記であるということに驚きました。
(日本経済新聞:未登記の海外ITに罰金へ 政府、メタ・Twitterなど監視強化

法務省は,登記の意思がない法人に過料制裁を課すよう,裁判所に通告したようです。

会社法では,本邦で継続的に取引をする場合,法人に登記を要求しており,登記しない場合は,過料制裁が課されます。(会社法818条,同979条2項)

ちなみに登記していないIT関連会社でも,電気通信事業法に基づく「事業の届出」はしているようです。(電気通信事業法16条)

やはり,通信業界では,総務省の監督権限の強さを示しているのでしょうか。

新しい会社のかたち:BCまたはPBC

BC(ベネフィット・コーポレーション)またはPBC(パブリック・ベネフィット・コーポレーション)という会社の形態ができてくるのでしょうか。

現在,会社の形態として,株式会社,旧有限会社,持分会社(合同会社等)や目的会社等があり,利益を求めない法人の形態として,一般社団法人や一般財団法人,NPO法人等があります。

ESGやSDGsが言われる中,純粋に株主の利益を求めるだけの会社ではなく,社会貢献や従業員,関係先の利益を目的とした会社のあり方も検討されてます。
そこで,定款に公益目的を記入するなどして,BCを設立し,株主利益のみを優先する会社とは別の形態で運営されています。

アメリカでは,州毎に違うものの,BCは早くから採用されて,イギリスやドイツでも採用されているようです。
(出典:日本経済新聞社 【「公益重視型」企業、米で広がる 株主利益と両立課題】)

本邦でもBC等が設立する日がくるでしょうか。