キラキラネームを認めるのか否か

戸籍に読みがな(ふりがな)をつける戸籍法改正案が法制審議会の部会で検討されています。(NHK:【行きすぎの「キラキラネーム」は戸籍記載せず 法改正の要綱案】)

このニュースによると,いわゆるキラキラネームについては,今後法律施行までに通達で方針を示すようです。

法務大臣は,2/3の閣議後記者会見で,
「要綱案においては、一般に認められている読み方以外の読み方でありましても、現にその読み方を使用していることを証することができる書面、そういったものを添付した上で届出がなされた場合には、これを認めることとしている」
としています。(法務省:「法務大臣閣議後記者会見の概要 令和5年2月3日(金)」)

一般に認められている読み方以外でも,認める方針のようで,どこまでキラキラネームが認められるか注目されるところです。

情報公開請求件数のトップは法務省

情報公開請求の請求数で,行政機関のトップは,「法務省」で圧倒的に「一部開示」となっています。(総務省:情報公開制度 令和2年度施行状況調査結果

これは,法務局の「登記受付簿」の情報公開を請求している数が多いと推定されます。

法務局に相続等の登記後,見知らぬ業者からDMが来ることがありますが,司法書士がその登記した情報を漏らしていることは絶対にありません。情報公開制度を利用して業者が「不動産登記受付簿」を閲覧することによって,登記された申請人と不動産を特定しているのです。

情報公開請求制度は,市民の権利かと思いますが,業者のビジネスに利用されていることも多いのでしょう。

法務局が有する地図データの無料化

データがXML形式のようですが,初日は全く接続できませんでした。

今日は,法務局で保有している地図のうち,不動産登記法上の地図と地図に準ずる図面(準地図)はデータ化された,地図データの無料化のはなしをします。

法務局の地図データがXML形式によって,無料でダウンロードできるようになりました。
(法務省:「地図データのG空間情報センターを介した一般公開について」)

ところが初日に接続してみたところ,接続できませんでした。アクセスが集中したようです。

早く,データを使ってみたいところですが,このデータは,法務局で証明力のある書類として発行できる,地図証明書や図面証明書と違い,証明力がありません。証明力がないということは,法務局登記官の印鑑が押印されないということです。

その代わり,直接データとして扱えるので,ソフトウェアによって活用することができるようになります。社会基盤の活用されていくのを期待したいところです。

家族信託・任意後見・法定後見

認知症等で意思表示が難しくなった際に財産管理等の事務を行う制度です。それぞれ,柔軟性が異なります。

準備段階では家族信託か任意後見を選択でき,家族信託は契約か公正証書で構築し,任意後見は公正証書で構築し,必ず監督する人を選任します。すでに認知症等で意思表示が難しい状態になった場合には,法定後見しか選択の余地がなくなります。

参考までに
家族信託は,「国民生活センター:国民生活 2019. 5 高齢者の生活と資産を守る「家族信託」を考える
任意後見は,「法務省:Q16:任意後見制度とは,どんな制度ですか?
法定後見(成年後見)は,「法務省Q3~Q15 「法定後見制度について」

どちらにしても,早めの検討が必要かと思います。

同性婚制度なしが違憲状態の判決

東京地方裁判所にて,同性婚の制度がない事自体は,合憲としたものの,「違憲状態」として,立法措置を促した判決がなされました。
河北新報社:【同性婚制度なし「違憲状態」 東京地裁、国会に立法措置促す】)

松野官房長官は,他の訴訟の判断も注視していきたいのこと。
(ロイター通信:「同性婚認めぬ規定は合憲の判決、他の訴訟判断も注視=官房長官」)

農地取得の下限面積

農水省が農地関連法改正案に、農地法による農地の権利取得時の下限面積要件を廃止を盛り込むようです。
(日本農業新聞:「農地取得の下限廃止 多様な就農後押し 農水省法改正案」)

農地の利用が減少しているための措置とのこと。

農地法第3条の許可の判断基準について,現在一定の面積(原則50a)を経営することが要件となっていますが,これを撤廃することになりそうです。
(農水省経営局:「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律について」)

法曹無資格者による契約書等審査サービスの提供

弁護士等の資格を持たない契約書等の審査サービスは,法務省の回答では,違法という見解です。(法務省回答:法曹無資格者による契約書等審査サービスの提供

今後AI等の電気計算機のプログラムによって契約書をチェックするものが出てくるもの(すでにありますが)と思われますが,資格がない場合は,弁護士法違反になるようです。

子の懲戒権から人格尊重へ

弊所のホームページで「懲戒場」のアクセスが多いのです。
懲戒場は,平成23年の民法改正では削除されましたが,似たような概念で「懲戒権」というものがあります。

民法上の懲戒権とは,親権者が監護や教育に必要な範囲内で,子を懲戒できるとされてます。(民法 第882条)

ところが,この懲戒権は,廃止が検討されていて,法務省の「法制審議会民法(親子法制)部会」でその改正の要綱案がまとめられています。

懲戒権から次のよう規律が変わるようようです。

親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育をするに当たっては,子の人格を尊重するとともに、子の年齢及び発達の程度に配慮しなければならず,かつ,体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。
(同 要綱案参照)

子の人格を尊重することに重きが置かれることとなりそうです。

戸籍上の名前の読み方

戸籍法改正が検討されており,名前にふりがなが記載されるようになると思われます。

戸籍法改正の中間試案が5/17に発表されました。
(法務省 「戸籍法等の改正に関する中間試案」(令和4年5月17日)の取りまとめ

内容として
1.戸籍の名前にふりがな
2.ふりがなには,「国字の音訓又は慣用により表音されるもの」という制限
3.ふりがなの変更には裁判所の許可が必要

現在,いわゆるキラキラネームが,どこまで認められるか議論されているようです。
(NHK “キラキラネーム”どこまで認められるか 3案提示 法制審議会

近年の学生の名前を参照すると,漢字の音訓よみだけでは,読めないかたが多いだけに,ふりがなを戸籍や住民票で管理してもらうと,いちいち本人や家族に聞かなくてもよくなるかもしれません。