相続の争い対策

相続の争いは、非常に困難が多いです。

相続の争いは、相続人間で、相続が始まった(つまり被相続人の死亡)ときに誰がどれくらい相続するかを揉めているの場合に限らず、被相続人が存命の間に既に起きていることが多いです。

既に起きているというのも、相続の争いは家族間の生前起きている、ボタンの掛け違いから発生する場合も多いからです。

相続争いに対する対策には一般的には、遺言書を作成しておくのが最も効果的であることはよく知られていますが、もめているときは、なにをしてももめるのは、しかたのないことです。

そこで、被相続人が存命のうちに、あらかじめ、財産を相続人になるべき人(推定相続人のひとり)に贈与するなり、売買するなりして、処分する方法も考えることができます。

争いの元となる財産をあらかじめ処分して、無きものにしておけば、争いがより小さく抑えられるわけです。

しかしながら、生前に処分する場合と相続する場合で、費用と手間を比較することによって、決めていくのがベストであるということになるのです。

また、生前の処分もたとえ費用がかかったとしても、将来発生するだろう、争いごとをなくし、ある程度の心理的負担を軽減することができます。

争いの元をあらかじめ、無くしておくというのは、本当に争っていて、居ても立っても居られない場合には、たとえ費用がかかっても、検討の余地があることなのかもしれません。

空家対策&長期相続登記未了土地

すごい先祖からのお知らせか。
遠い親戚からのお土産か。

今日は、空家対策と長期相続登記未了土地の話をします。

全国的に、かなり多くの司法書士が、長期間名義変更をしていない土地や、相続関係の複雑な空家について、相続人が誰であるかの調査を、法務省や市町村等から委託を受けて行っています。

この作業は、過去や現在の戸籍をひたすら調査することによって、法律上の相続人(法定相続人)を探すため、かなりのボリュームとなります。

最終的には、調査した内容を法務局が法定相続人情報として保管したり、行政機関から調査した相続人に対して、相続登記を促す通知が出しているようです。

多くの場合、相続人にとって、よく知らない親戚の名義となっているため、受け取った人は、かなり驚くことでしょう。

また、相続人は、かなりの数に上ります。
ということは・・解決は困難とも言えます。

今後、こう言った作業を通して、どのような施策が打たれるようになるのかはわかりません。
強制的な名義変更や強制的に別名義にしたりするのでしょうか。

相続登記義務化

任意の相続登記が義務化される方向にあるようです。

罰則規定も設けられる可能性があります。

既に土地の表示登記は、義務化されていますが、
実際、すべてが登記されているわけでもないようです。

煩雑な相続登記の多くが表沙汰になるのでしょうか。

出展:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41053410Y9A200C1MM0000/

相続法改正続き

相続法改正のはなしを続けます。

以下の改正があります。

1 配偶者居住権の創設

故人の配偶者の居住している建物に賃借権に似た居住権を取得させることができます。

登記できる権利です。

2 遺産分割の見直し

(1)婚姻20年以上の配偶者に持戻免除

(2)遺産分割前に相続された預貯金の一部払い戻し可能

(3)遺産の処分による不公平の是正

(4)遺産の一部分割の明確化

3 遺言制度の見直し

(1)自筆でない財産目録の緩和

(2)遺言執行者の権限の明確化

遺贈の履行の専任、特定財産承継遺言に対する対抗要件具備等

(3)法務局への保管制度

4 遺留分侵害請求権に対する、金銭債権化(遺留分侵害額)

このほかは、今度説明したいとおもいます。

相続法の改正(民法の改正第○段)

7月1日に相続法の改正が施行されます。

配偶者居住権、遺産分割の規律変更、預貯金債権の遺産の一部払戻し、遺言執行者の職務明確化等があります。

でも、最も目についたのは遺留分の金銭債権化ですかね。

また、詳しくは今度書こうと思います。

不動産の名義変更(相続登記)は必要か否か

名義を変更しておかないと、不動産に対する税金や修繕等の義務はいつか、誰かに知らぬ間に降りかかってきます。

今日は不動産の名義変更は必要か否かのはなしをします。

不動産名義を変更することは、後々売ったり処分したりするのに必要です。
という説明はよくすることがあります。不動産の財産として維持していき、価格を下げないようにするためにも必要なこととは思います。

しかしながら、財産の維持だけでなく、不動産を持っていると、不動産自体を直したり、修繕したりする義務が発生します。
また、不動産に対してはほとんどの場合、 固定資産税がかかります。
税の支払いについては、名義になっているかたにかかってくるわけですが、名義がはっきりしない場合には、取れる人から取る方式で、税金が徴収されます。

この取れる人から取る方式が厄介で、いつ自分に降りかかってくるか予想がつきません。
取れる人から取るため、不動産を実際管理している相続人とは限りません。
一人の相続人が支払えなくなった場合には、他の相続人に請求されることになるでしょう。

実は一人の相続人が支払った場合であっても、払った相続人は、他の共有者にその払った税金を法律上、請求することができます。
このことは、名義が安定しない場合にはいつ請求されるかわからないというリスクが伴います。

以上、名義をはっきりさせることで、不動産の財産的価値をあげ、不安定な状態を解消していきましょう。

遺言書の「物件目録」が、パソコンでもよくなります

今まで手書きで全部書いていました。

自書の遺言書の話しをします。

遺言書は、民法上すべて手書きによる自書によらなければ、無効とされていました。
全部を○○に相続させるという内容ならいいのですが、不動産やさまざまな財産を種類毎、誰に相続させるという内容にする場合、その財産をいちいち書かなければならないので、ものすごい量を自書することになります。

たとえば、不動産2つをひとりに相続させる内容でも、

1.私の所有する後記不動産を長女○○ ○○(昭和○年○月○日生)に相続させる。
土地
地番 長野市○○町○○丁目
地目 ○○番○
地積 ○○平方メートル
建物
所在 長野市○○町○○丁目○○番地○
家屋番号 ○○番○
種類 居宅
構造 木造瓦葺○階建
床面積 1階○○平方メートル

平成○年○月○日
住所 長野市○○
○○○○ (印)

これだけのものを書くとなるとたいへんですし、結構な確率で間違えてしまいます。
少しでもを間違えたらえらいことです。

今後は、この不動産の部分に相当する相続財産の目録を付ける場合には、目録についてのみをパソコンによって書くことができます。
ただし、要件としては、目録の毎葉(すべてのページ、両面にある場合は両面とも)に署名押印する必要があります。
(改正民法968条2項)

これで遺言書も少しは楽になるでしょう。

相続登記の免税措置

相続登記が推進されるのでしょうか。

今日は、相続登記の登録免許税の免税措置のはなしをします。

平成30年度の税制改正で相続に関する土地の名義変更の登記について
次の免税措置がとられることになりました。

1.相続登記をしないで死亡した場合で、被相続人名義で登記する場合の免税措置
(租税特別措置法第84条の2の3第1項)
2.市街化区域外の土地で法務大臣が指定する土地のうち、不動産の価額が10万円以下の土地に対する免税措置
(租税特別措置法第84条の2の3第2項)

1に関しては、4月1日から2021年3月31日までの間で、亡くなったかたへの相続登記が免税されます。土地の評価額が高い場合には非常に有効だと思われます。
2に関しては、すでに各法務局のホームページで土地が指定されているようですが、
その土地について、評価額10万円以下であれば、免税になるようです。

これについては、申請方法(10万円毎分けるべきか)や市街化区域のある地域では、対象の土地が分かりづらいため、申請するためにもう少し情報がほしいところです。

あと、注意点は、建物は対象になっていません。

周りでは、相続登記されずに放置されている土地がたくさんあります。
この免税措置で相続登記が進めばいいですね。

難しい名義変更に当たるとき

難しい不動産の名義変更の話をします。

相続登記の仕事をしていて、時々、難しい登記に当たることがあります。
そのいくつか例について、お話ししたいと思います。

まず最初に難しいと思うのは、相続人が何人もいるときです。
何人もいるということが発生する状態になる1番の原因は名義変更を放置です。
放置によって、相続が二重にも三重にも発生してしまい、より、複雑にしてしまうのです。

2つ目に難しいと思うのは、兄弟による相続です。
お子さんがいない場合の兄弟による相続は、必然的に相続人を増やしてしまうからです。

3つ目に難しいと思うのが、相続人の1人が海外に住んでいらっしゃる場合です。
いわゆる渉外登記と言われるのですが、集める書類や手続きが複雑になるからです。

以上のような、ことがあるようでしたら、早めの対策をお勧めしています。

対策をとっておかないと、手続きに非常に時間がかかったり、最悪の場合、名義変更ができないことにあります。

最悪を避けるためには、ご自身の家族のことをもう一度振り返っていることも必要かもしれませんね。