会社設立がさらに早く, 定款認証の「48時間処理」が全国展開へ

これまで南関東・大阪府・愛知県・福岡県など一部地域で限定 されていた 「定款認証の48時間処理」 が,全国展開 されることになりました。

📌 定款認証の「48時間処理」とは?
日本公証人連合会が提供する 「定款作成支援ツール」 を利用して定款を作成し,公証人役場に提出すると,原則48時間以内に認証手続が完了 する制度です。
(参考:日本公証人連合会「定款認証の48時間処理利用マニュアル」)

📌 さらに「設立登記の72時間処理」も実現へ
公証役場と法務局の連携によって,一定の要件を満たせば設立登記も72時間以内に処理される 仕組みが導入されます。
(参考:法務省「スタートアップ支援のための定款認証に関する新たな取組について」)

🔹 全国展開のメリットは?
会社設立のスピードが向上(従来よりも数日早く設立可能)
公証役場と法務局の連携強化で手続きの効率化
全国どこでも「早期設立」が実現可能に

今後,全国で株式会社の設立がさらに迅速化される ことが見込まれます。
スピーディーな起業を検討している方は,活用してみてはいかがでしょうか?

株式会社の数は増え続けている

株式会社の設立登記が最多に—今後の動向と計画的な法人設立の重要性

登記統計(登記研究923号)によると,令和5年の株式会社の設立登記申請件数は100,669件に達しました。
この過去5年間の平均(92,364件/年)を上回る
数字となっており近年の会社設立の活発化がうかがえます。


過去の設立件数と比較

株式会社の設立件数の推移を振り返ると以下のような変化が見られます。

年度・時期設立登記件数
平成元年前後(バブル期)約6万件
平成14年約1万5千件
令和5年(近年10万件超

このデータから,現代は歴史上最も多く会社が設立されている時代と言えます。


会社設立が増えた理由

近年会社設立のハードルが大幅に下がったことで起業が容易になっています。
その要因として次の2点が挙げられます。

  1. 資本金規制の撤廃
    かつては株式会社設立に最低1,000万円の資本金が必要でしたが,現在は1円でも設立可能です。
  2. 設立登記の期間短縮
    法務省が進める「ファストトラック化」(平成30年3月開始)により,設立登記の処理スピードが向上しました。
    (参考:法務省「平成30年3月12日から,会社の設立登記のファストトラック化を開始します。」)

さらに,法務省では,定款認証手続きの簡略化も検討されています。
(参考:法務省「起業家の負担軽減に向けた定款認証の見直しに関する検討会」)


解散登記も増加—計画的な法人設立が重要

株式会社の設立が増えている一方で,解散登記の件数も令和4年度で2万件超となっています。
(参考:e-stat「会社及び登記の種類別 会社の登記の件数」)

このことから,単に会社を設立することが簡単になっただけでなく,解散も増加傾向にあると言えます。


まとめ—計画的な法人設立を

今後,会社設立手続きがさらに簡便化することが期待されますが,重要なのは会社を継続して運営できるかどうかです。

会社を設立する際は,事業計画や資金繰りをしっかりと検討し,長期的に運営できる体制を整えることをおすすめします。