株価が落ちることの一考

日経平均株価が歴代2位の下落率というというニュースがありました。終値ベースで-2,216円だそうです。
(日本経済新聞社「日経平均株価の下落幅とは ブラックマンデー時3836円安」)

おそろしく平均株価が下落したわけですが,理由としては,日本経済新聞社の分析によると,「売りが売りを呼ぶ」プログラム取引の影響だとしています。そのほかに元の売りの発端等を分析すると,理由は様々ですが,特にアメリカの景気後退局面における利下げや,日本銀行の量的緩和政策解消に伴う利上げの要因による株価の調整局面であったというものがあります。
(参考:ロイター「日経平均は大幅続落、円高と米景気減速感で 今年最大の下げ」)

本年の新NISAに伴う投資の需要の増加により,多額の資金が投資信託マーケットに流入により,今までは株価を押し上げていたのかもしれませんが,今回の下落傾向は,NISAを利用されている方にもかなりの心理的な影響を与えます。
(参考:野村総合研究所「新NISAが投信マーケットに与えた影響をビジュアル化してみた
(参考:日本経済新聞社「海外株投信の資金流入最高 1〜6月、新NISA開始で」)

今回の株価下落で短期的には痛い目をみるかたもおられるでしょうが,投資先は慎重に検討を促すよい機会になればと思います。

デジタル資産や暗号資産の相続はわかりづらい

故人の資産の保管場所を相続人に教えておかない場合も多いです。

集英社にデジタル資産の相続税の申告忘れの記事がありました。
参照 集英社オンライン:【現代の相続問題で一番気をつけるべきは「デジタル資産」。申告忘れには加算税や延滞税が上乗せされる…相続専門税理士が指摘する3つの問題点とは

故人の資産のうち,デジタル資産や暗号資産を知らないところで探すということは,とてつもなく大変なことです。書面の取引であれば,四半期に1回程度,有価証券の取引履歴が証券会社や信託銀行から送付されてきたり,銀行の通帳があったりしますが,デジタル資産や暗号資産の場合には,契約から取引履歴まて,オンライン上で完結している場合も多く,すぐに探し出すというわけにはいきません。
(例 SBI証券「電子交付」,松井証券「取引しましたが取引報告書等が送られてきません。」)

探すことに着手するにしても,金融機関数だけでも,1,382件程度。(2024年5月31日現在 日本金融通信社:「最新の業態別金融機関数」)その中でもネット銀行にあたる,その他銀行だけでも15行,証券会社で271法人も存在するため,調査するにもなかなかの労力と費用がかかります。
また,暗号資産取引所も32社(2024年6月3日現在)あるそうです。(日本暗号資産取引業協会「統計情報」)

できれば,デジタル資産をお持ちのかたは,「エンディングノート」等(参考:長野地方法務局/長野県司法書士会「エンディングノートを作成しました」)を活用していただき,デジタル資産や暗号資産の口座の取引先を1年に1回程度記録しておいたほうがよいかと思います。

参考までに,暗号資産は,故人の相続人が請求しないと消滅時効にかかることもあります。(参考 日本暗号資産取引業協会:「暗号資産取引業における主要な経理処理例示」Ⅲ 経理処理等)その場合は,多額の暗号資産を喪失することもありますので,注意が必要です。