国庫に入る遺産が過去最高1,000億円超

令和5年度に相続人がいない遺産が国庫に帰属した総額が1,015億円に達したとのことです。
(日経新聞社【国庫に入る「相続人なき遺産」、初の1000億円超 23年度】)

遺産が国庫に入るというのは,子や孫,兄弟姉妹がいない方が遺言書を作成していなかったために発生したケースや,相続人全員から相続放棄した場合に発生します。
この場合には,相続財産清算人が選任され,債務や税金の支払いを終えた後,行き先のない財産が国庫に帰属するという流れになります。

◆遺言書の重要性
1,000億円を超える財産が国に帰属したということは,それだけの資産が遺言書で 特定の人や団体に遺贈される機会を失ったともいえます。

もし,身近に相続人がいなくても,
親しい友人や知人にのこす
お世話になった団体へ寄付する(公益法人・NPOなど)
地域貢献のために自治体や地域団体に寄付する
といった形で,遺産を生かす方法は多くあります。

特に,近年では 「遺贈寄付」 への関心も高まっており,遺言書を活用して社会貢献を行う ことも可能です。

「自分には相続人がいないから…」とあきらめず,自分の財産をどう活用するかを共に考え,遺言書を作成することが重要かと思います。