上場企業の株式分割によって,株の取引が促進されます。
1株を1万円以下や5千円以下にするなど,投資促進のため,株式分割をする上場企業が増加しているようです。
(参考 NHK:【「株式分割」実施する企業が増加 NISA拡充で個人投資呼び込む】)
7月までに株式分割した上場企業は,139社だそうです。
株式分割とは,資本等を変えないで,基準日に所有している株主の株式を1株あたり数株の割合で増加させることをいいます。(会社法第183条各項)
上場企業が株式分割をする要因としては,株価の高騰により,1株あたりの株価が増加し,本邦の株式市場ですと,ほとんどの会社の単位株式数が100株のため,例として株価が1万円以上の1回の取引で100万円以上になってしまいます。そこで,株式分割により,1株あたりの単価を下げて,1回あたり数十万円程度で取引できるようにしたり,場合によっては,1株あたりの株価を2,000円以下にして,1回の取引を20万円以下にすることで,さらに投資を呼び込もうとしています。
(参考 会社四季報オンライン編集部【2024年8月に基準日を設定して「株式分割」する銘柄一覧】)
ただし,多くの人が当該株式の取引に参入してきた場合には,NISAによる取引の増加要因を含めて,株価の乱高下が激しくなることもありますので,慎重な判断も必要かと思います。