アメリカとスイスの銀行の破綻

預金の急激な移動と債券市場の動向が影響しているようです。

今日は,3月に生じている金融の混乱の話をします。

背景が少々難しく,銀行破綻の理由もわかりにくいため,ニュースを参考によく読み解いていく必要があります。。
(NHK:「相次ぐ銀行破綻 アメリカで何が起きている?背景に何が…」)

破綻している銀行は以下のとおりです。
1.シリコンバレーバンク
 アメリカ地銀で2番目の規模の破綻のようです。
2.シグネチャーバンク
 同じくアメリカの地銀です。暗号資産業者への取引が引き金のよう。
3.クレディ・スイス銀行
 スイスの投資銀行で,AT1債(自己資本に組み入れられる劣後債)が無効化されるということで物議を醸し出しました。
4.シルバーゲートキャピタル
 暗号資産業者を中心とする銀行で,同業種の経営難が影響しているようです。


また,次の銀行も懸念が示されています。
・ファースト・リパブリック銀行
 アメリカの地銀で,預金の流出で株価が暴落。
・パックウェスト銀行
 アメリカの地銀で,預金の大量流出が報道されました。

いずれも,預金の流出が発端のようで,預金の流出は,「デジタル・バンクラン」と呼ばれる,SNS等による口コミによるものと,ネットバンキングによる資金移動のしやすさが主な理由のようです。
(参考 ロイター:「コラム:デジタル・バンクランと債券急落、年後半の日本経済に下押し圧力」)

預金の流出により,流動資金を用意するため,銀行が債券を売却しますが,金利(国債利回り等)の上昇による最近の債券市場の価格低下が起きており,債券売却時の評価損が,銀行の財務状況を悪化させているようです。
(参考 東洋経済新報社:「配当不能に?「評価損」で地銀を襲う新たなリスク」)

アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)はそれでも,インフレ対策として,政策金利を上げ続けているため,さらなる金融システムへの混乱が生じないか,心配なところです。
(参考:NHK「FRB 0.25%利上げを決定 インフレを抑えこむ決意打ち出す」)