民事信託の役割

信託とは、他人に財産をあずけて、その財産をある目的をもって管理や処分しててもらうことをいいます。(信託法2条1項)
成年後見制度における成年後見は、財産やを成年後見人に管理してもらうことを一つの目的としていますが、信託と成年後見と違うところは、信託は預ける人のすべての財産を対象にせず、一部の財産を対象とすることができ、目的も管理に限られず、多様な目的を設定することができます。(信託法3条各号)
また、信託のもう1つの役割としては、信託が終了した後、財産をもとの所有者以外に帰属させることができる点です。(信託法182条1項各号)この機能は、受託者が亡くなった場合の相続先、遺贈先を指定できる遺言に類似しています。
このように、成年後見や遺言より柔軟に財産の処分をすることができることが信託の強みといえるでしょう。