WordPressの緊急アップデートと脆弱性

たまにWordPressで重要な脆弱性が発見されることがあります。
WordPressは、利用者数が非常に多いため、どうしてもハッカーに狙われやすいという面があり、セキュリティの手を緩めることができません。

Fedoraサーバーを利用している場合、公式パッケージの更新が脆弱性公開に追いつかず、対応が遅れることがあります。
今回は緊急の脆弱性のようで、執筆時点ではFedoraパッケージではまだ対応されていないようです。

今回の内容については、piyokango氏のブログに早速情報がまとめられていました。
(参考:「WordPress Coreの脆弱性 CVE-2026-63030 / CVE-2026-60137 (通称「wp2shell」)についてまとめてみた」)

また、バージョンが対応済みかどうかを判定できるサイトもありました。
Searchlight Cyber「wp2shell: Pre Authentication RCE in WordPress Core」(脆弱性チェッカー・緩和策プラグイン公開ページ)

対応手順

Fedoraのdnfによるアップデートがまだ対応していないため、WordPress公式サイトからzipファイルをダウンロードし、手動で上書き対応を行います。

1. バックアップの取得

パッケージ側での正式対応が行われた際に元に戻せるよう、作業前に必ずWordPressフォルダ全体のバックアップを取得しておいてください。

tar -czf wordpress-backup-$(date +%Y%m%d).tar.gz /path/to/wordpress

2. 最新版のダウンロードと上書き

WordPressのリリースページから、6.9.5以上または7.0.2の最新版をダウンロードし、zipファイルを解凍してコピーします。

unzip wordpress-*.*.*.zip
\cp -r --force ./wordpress /path/to/wordpress
# (行頭の"\"はエイリアスを無視してcpコマンドを実行し、--forceオプションを有効にするためです)

3. 不要ファイルの削除とパーミッション設定

cd /path/to/wordpress
rm -f wp-config-sample.php
chown -R apache:apache ./wp-admin
chown -R apache:apache ./wp-content
chown -R apache:apache ./wp-includes

Fedoraはパッケージ管理が主となりますので、パッケージで正式に対応されたら、今回の手動での上書きは元に戻し、dnfによる管理に戻すことをおすすめします。

配偶者なし・兄弟姉妹ゼロ、相続人が誰もいない「その先」

相続人がゼロになると何が起きるのか

「独身で子どももいない」「兄弟姉妹、おいめいも不在」―こうした方が直面するのが、相続人が誰もいないケースです。
民法では相続人不存在の場合、最終的に財産は国庫に帰属すると定められています。
しかし、実際には、相続財産管理人の選任申立てをする人がおらず、不動産がそのまま放置されるケースもあります。
倒壊や害虫被害、固定資産税の滞納を招き、近隣に迷惑がかかる事例も後を絶ちません。

内縁の相手やいとこに財産は渡せないのか

内縁のパートナーやいとこ等と交流があっても、法定相続人でないためそのままでは財産は渡せません。
民法上、内縁の妻は法律上の配偶者として認められておらず、いとこも親族であっても、相続人の対象外なのが原則です。
どれだけ親しくしていても、遺言などの手当てをしなければ、財産を渡す手段がないのが現実です。

解決策の第一選択は遺言書

もっとも、解決策はあります。最も手軽なのが遺言書の作成です。
自筆証書遺言はお手軽に、公正証書遺言でも数万円程度から作成でき、遺言で特定の人に財産を渡す「遺贈」という形にすれば、いとこや内縁の方、友人など相続人以外へ遺産を渡すことができます。

遺贈の落とし穴は現金不足

ただし、遺贈には注意点があります。
相続人以外が受け取る場合は贈与税の扱いとなり、不動産を遺贈された受遺者は、現金で多額の税金を納めなければならないケースがあります。
受贈者側の資金確保まで見越して、現金や生命保険の併用を検討する必要があります。

備えは早めに

相続人がいない問題は、事前の備えでほぼ解決できます。
ただ、遺言書が自身で作成できなくなったら、手段がなくなってしまいます。
「自分が死んだら遺産はどうなるのか」と気になったら、身近の方のためにも、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。

秘密保持重視から、オフラインの生成AIツールの利用

生成AIは、文書添削に非常に便利なツールですが、利用にあたっては
以下の点に注意が必要とされています。

・出力内容がニュアンスによって変化し、意図と異なる結論になる場合がある
・入力データに顧客情報や個人情報が含まれるリスクがある

特に法的文書を扱う場面では、いずれも重大な問題です。とりわけ、
個人情報等を生成AIにそのまま入力することは、顧客の同意がある場合
であっても、サービス側でどのように利用・学習されるか不明であり、
安易に行うべきではありません。

そのため、法律職が個人情報を扱う場合は、生成AIサービスのうち、
入力データをインターネットに通信しない、ローカル環境(オンプレミスサーバー等)
にインストールするタイプのものを利用する方が望ましいでしょう。

こうした形態は「ローカルLLM」と呼ばれ(参考:富士フイルムビジネス
イノベーション社「ローカルLLMとは?〜」)、現在利用可能な主な構成
としては、以下のようなものがあります。

・Ollama × gemma4
・Ollama × gpt-oss
・LM Studio × gemma、Qwen 等

なお、ローカルLLMはモデルデータだけでも数GB以上の容量があり、
快適に動作させるには高性能なグラフィックボード(GPU)が必要です。
これは生成AIの推論に、CPUやメモリに加え、GPUの並列計算機能が
不可欠であるためですが、近年のAI需要拡大によりメモリ関連デバイス
の価格が上昇しており、機器調達は容易ではありません。

しかし、生成AIを業務で活用する以上、データセンター等の契約サーバー
を除き、セキュリティ確保の観点から、こうした機器類を自前で整備
する必要があります。昨今の生成AI利用には、相応の費用と手間が
伴うのが現状のようです。

認知症になってからでは遅い?財産管理にも大きな制約が

「まだ元気だから相続対策は必要ない」と考えている方は少なくありません。

しかし、認知症などで判断能力が低下すると、相続対策だけでなく、財産管理にも大きな制約が生じます。

認知症になると難しくなること

  • 遺言書の作成
  • 生前贈与
  • 不動産の売却
  • 家族信託の設定
  • 相続税対策を目的とした財産の組み替え

成年後見制度について

認知症になった場合、成年後見制度の利用(参考 厚生労働省「成年後見制度」)を検討することがあります。

成年後見制度は、本人の財産を守るための重要な制度ですが、相続対策や節税を目的とした制度ではありません。そのため、後見開始後は本人の利益を最優先に財産を管理する必要があり、不動産の売却や生前贈与などには大きな制約が生じます。

また、一度開始すると原則として本人が亡くなるまで継続するため、「とりあえず成年後見を申し立てればよい」と簡単に勧められる制度ではありません。

よくあるケース

例えば、親が認知症となって施設へ入所し、不動産を売却して施設費用に充てたいと考えても、家族だけで売却することはできません。

「元気なうちに準備しておけばよかった」と後悔されるケースは少なくありません。

先にする選択肢は?

相続対策は、判断能力が十分にあるうちだからこそ選択肢があります。

将来に備えるためにも、早めに遺言書の作成や財産の整理などを検討することをお勧めします。

破産者マップが何回も復活

ここ数週間、いわゆる「破産者マップ」が再び復活と閉鎖を繰り返しているようです。

確認されているものでは、2009年から今年度までの破産開始決定情報について、氏名、住所及び破産開始決定日が地図アプリ上で閲覧できる状態となっていました。また、直近の破産開始決定情報まで反映されているものも見受けられます。

さらに、掲載情報の削除と引き換えに、数万円相当のステーブルコインによる支払いを求めるようです。

このようなサイトに関しては、次の点に注意してください。

・サイトのURLやアクセス方法を拡散しないこと
・削除のための金銭要求には応じないこと(削除される保証がなく、別サイトで再掲載されるおそれもあります)
・仕組みが分かったとしても、同様のサービスを模倣しないこと

また、法的な観点からは、破産者マップのようなサイトによる破産者情報の公開について、個人情報保護委員会は個人情報保護法違反に当たるとして行政上の対応を行っています。

そのため、興味本位であっても情報の拡散や再利用に加担しないことが重要です。

参考:
個人情報保護委員会「破産者等の個人情報を違法に取り扱っている事業者に対する個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について(令和4年7月20日)」

「隠れ遺産」で相続手続がやり直しに?

当事務所で相続登記のご依頼を受ける場合、遺言書がなかったり、相続人が複数人いる場合には、遺産分割協議をしていただき、遺産分割協議書を作成することが多くあります。

この際、不動産だけでなく、預貯金や有価証券等についても併せて協議したり、「後から遺産が見つかった場合」の精算条項を入れたりするケースも少なくありません。

このような条項を入れておくことで、不動産だけでなく、金融機関等での相続手続きも比較的円滑に進めやすくなります。

もっとも、何年も経過してから有価証券等の遺産が見つかるケースもあります。その場合、当初の遺産分割協議から年月が経っているため、相続人が亡くなっていたり、連絡が取れなくなっていたりして、手続きが難しくなることがあります。

また、精算条項があっても、金融機関等から改めて戸籍謄本や最新の印鑑証明書等を求められる場合もございます。

そのため、精算条項付きの遺産分割協議書及び印鑑証明書は、厳重に保管しておくことが重要です。

なお、相続登記については、何年前の書類であっても、法律上有効に成立しているものであれば、原則として問題なく利用可能です。

そして、なにより重要なのは、金融機関等への照会を確実に行い、相続財産及び相続手続きに漏れがないようにすることが大切かと思われます。

漠然とした不安と法律的解決

社会に対する漠然とした不安として、

・COVID-19に代わる新たなグローバル・パンデミック
(ハンタウイルス等:参考 厚生労働省検疫所「ハンタウイルス感染症」)
・ペルシャ湾情勢の悪化に伴う石油危機の深刻化
・生成AIの発展による職業の不要化及び雇用の減少

などを挙げることができます。

社会全体がグローバル化し、経済状況も急激に変化する中で、生活環境に対する不安は、今後さらに増していくことが予想されます。

また、個人的な不安としても、

・親の介護
・職場でのハラスメント
・隣人問題

など、年齢や人生の段階に応じて、多かれ少なかれ誰にでも生じ得る問題があります。

もっとも、これらの不安は、当初は「漠然とした心配」として存在していても、現実の問題として顕在化すると、法律問題へと転化していきます。

例えば、

・家計の借金問題
・雇止めや給与減額への対応
・事業の清算
・損害賠償問題

などです。

漠然とした不安の段階では、法律による直接的な対策が難しい場合も多く、その対処は、事前の備えであったり、心の持ち方や生活設計の問題となることもあります。

しかし、一旦それが具体的な法律問題となった場合には、占いや根拠の乏しい情報、人の善意だけに頼るのではなく、なるべく早い段階で専門家へ相談し、法的な観点から整理及び対応を行うことが重要です。

根拠の乏しい情報より、専門家に相談へ

社会の変化が大きくなるほど、人は漠然とした不安を抱えやすくなります。
もっとも、その不安の一部は、最終的には借金、労働、介護、損害賠償等の具体的な法律問題として現れます。

不安そのものを完全になくすことは難しくても、問題を法的に整理し、早期に対応することで、被害や負担を軽減できる場合は少なくありません。

問題が深刻化する前に、冷静に現状を整理し、必要に応じて専門家へ相談することが、現実的な解決への第一歩になるかと思います。

Fedora43→44にアップデート

当事務所のメインサーバー(クローズド環境)では、Fedoraを採用しています。このディストリビューションは、年2回程度のメジャーアップデートがあり、時期としては大型連休前後及び秋頃です。

今回もアップデートを実施しました。手順は以下のとおりです。

sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade
sudo dnf system-upgrade download --releasever=44
sudo dnf system-upgrade reboot

もっとも、アップデート後は動作検証を慎重に行う必要があります。不具合が発生すると業務に支障を来すおそれがあるためです。

前々回は、Popplerの仕様変更により登記情報の変換ができなくなり、対応に相当の工数を要しました。今回はそのような問題が生じないことを願うばかりです。

ゴールデンウィークこそ確認すべき、家族と財産の現実

遠方に家族がいる場合、家族が集まる機会はどうしても少なくなりがちです。話す機会が減る中で、家族それぞれの状況は自然と変化していきますが、財産の行き先について考えたり、家族で相談したりする機会も減り、お互いの考えを把握しづらくなることがあります。

本来、子や孫の誕生や体調の変化など、話し合いのきっかけは多くありますが、遠方にいることで、その機会を逃してしまうことも少なくありません。

そのため、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始といった家族が集まる時期は貴重です。中でもゴールデンウィークは、比較的落ち着いて話ができる時期といえます。

近年は、財産に関する制度も見直しが続いています。

・相続登記・住所変更登記の義務化
・相続税及び生前贈与の見直し

今後も、

・遺言書制度の見直し
(参考 法務省民事局「遺言制度の見直しについて」)
・成年後見制度の見直し
(参考 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課、障害福祉課地域生活・発達障害者支援室精神・障害保健課「成年後見制度の見直し等について」)

が予定されており、団塊世代の高齢化も相まって、検討すべき事項は増えています。

こうした点も踏まえ、ゴールデンウィークにご家族で今後について話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。

不安な点やご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

自筆証書の遺言書のひな形変更

以前ひな形を公開しましたが(自筆証書遺言の原稿用紙の公開について)、余白を法務局保管用に修正しましたので、再アップします。

自筆証書遺言原稿(PDF)


主な修正は左側の余白です。

記載例は以前と同様です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E2%97%8F%E9%81%BA%E8%A8%80%E6%9B%B8%E6%A1%88-724x1024.jpg

当事務所では、封筒に「遺言書」などと明記し,検認の注意書きと日付・氏名を書いて封印しておくことをおすすめしています。


遺言書は法律的な文書でも最も難しいものの部類に入ります。

作成の際はぜひ司法書士等の専門家にご相談ください。