金・プラチナ・銀の現物・先物の価格上場

投資は自己責任の原則が前提となりますが,今後の見通しは不透明である一方,金,プラチナ,銀などの現物や先物取引の価格が,ここにきて著しく上昇しています。

中でも銀の価格上昇は顕著で,昨年9月までは1toz(トロイオンス)あたり40ドル前半で推移していたものが,現在(1/27)では100ドルを超えています。
(参考 「yahoo!finace Silver」)

日本円ベースで見ても,銀の価格は昨年9月には1gあたり225円程度であったものが,現在(1/27)には1g590円程度まで上昇しています。
(参考 「三菱マテリアル社 銀価格チャートライブラリー」)

この背景について,ブルームバーグは「米国,フランス,日本を含む主要経済国の通貨が今年弱体化し,投資家がビットコインや金属へと資金を移動させている」との見方を示しています。
(参考 Forbes JAPAN「上昇を続ける銅、金、銀価格 その背景にある要因」)

安全資産として,金や銀などの現物資産が有効と考えられている側面はあるものの,政治的背景による円安やドル安も影響しているようです。
過度な通貨安による不安が,少しでも払拭されることを願いたいところです。

メモリーの高騰

パソコンやサーバー向けのメモリー価格が,昨年後半以降,急激に高騰しているようです。

参考として,メモリーメーカーであるCrucial製の32GBメモリーを2枚(計64GB)使用した製品について,価格ドットコムの推移を見てみました。
昨年7月頃までは,おおむね2万円から2万5,000円程度で購入できていたものが,現在では7万5,000円前後となっており,価格は約3倍にまで上昇しています。
(参考 価格.com「CT2K32G4DFD832A [DDR4 PC4-25600 32GB 2枚組] の価格推移グラフ」)

近年,パソコン本体の価格上昇自体は見られるものの,3年ほど前から,グラフィックボードを除けば,CPUやストレージ,メモリーといった主要デバイスの性能には,大きな進化が見られません。
それにもかかわらず,価格だけが急激に伸びている印象があり,特にメモリー価格の上昇は顕著です。

このメモリー価格高騰の要因としては,円安傾向の影響も指摘されていますが,主な原因は,生成AIサービスの拡大に伴う,データセンターの新規稼働増加にあるとされています。
(参考 Gigazine「DRAM価格の高騰について業界各社は「AI需要が原因」と説明しているが実質的な価格操作が行われているとの見方も」)
(参考 ニュースウィッチ『AI向けシフト、不足深刻化…「半導体メモリー」の価格上昇が止まらない』)

事業用として使用するパソコンは,税法上は固定資産に該当する場合があるものの,実務上は消耗品に近い扱いをせざるを得ません。定期的に買い替えなければ,経年劣化による故障が増え,業務の円滑な遂行に支障を来すおそれがあるためです。

適正な価格でパソコンが安定的に流通する環境を維持するためにも,メモリーを含む各種デバイスの価格が,早期に落ち着くことを願うばかりです。

生成AIの動画投稿に注意

OpenAI社が新たな動画生成AI「SORA 2」の提供を開始しました
(参考:OpenAI社「Sora 2 is here」)。
リリース直後からSNS上では数多くの生成動画が投稿されており,既存の映画やドラマ,ライブ映像に酷似したものから,アニメーション作品まで多様です。「SORA」のロゴが動画内に表示されていなければ,生成AIによるものかどうかを判別するのは非常に難しくなっています。

学習データをめぐる懸念

SORA2の登場と同時に最も大きな論点となったのが,生成AIが用いる学習データです。
公開されている生成結果を見ると,商用ソフト化されているアニメーション作品や,70年代・80年代の映像まで学習に利用されていることがうかがえます。

これらは著作権や出演者のパブリシティ権を侵害する可能性が高く,本来であれば無断利用は避けなければならないものです。
しかし現実には,そうした素材を基にしたと思われる生成動画がすでにSNS上にあふれています。

OpenAI社は将来的に「オプトアウト方式」(原則として利用を許可し,権利者が明示的に禁止した場合のみ利用しない)を導入する意向を示していますが,この方式では権利者の側に過大な負担を強いることになり,権利保護が十分に機能しないという懸念があります。
(参考:日本経済新聞「動画AIのSora、著作物勝手に使う『オプトアウト方式』に不満の声」)。

クリエーター市場への影響

もう一つ見逃せないのが,クリエーターの市場への影響です。高度な動画が簡単に生成できるようになると,従来はクリエーターに支払われていた報酬が,AIサービス提供企業へと流れる構造が生まれかねません。特に中小規模のクリエーターにとっては,市場そのものが急速に縮小するリスクがあります。

技術の進化と社会の選択

生成AIの技術的進化は目覚ましく,これまでユーザーが手軽に享受できなかった映像や音楽コンテンツが瞬時に手に入る時代が到来しています。この流れ自体を止めることは,現実的には難しいでしょう。

しかし,日本はアニメーションやゲームなどのコンテンツ産業を国家戦略として重視してきました(例:内閣府「クールジャパン戦略」)。
この重要な産業を守り,生成AIが進化しても,クリエーターを保護する方向に社会がなっていくことを願わずにはいられません。

住宅ローンの金利上昇か

最近,金融緩和が終了し,マイナス金利の解除(3月)や政策金利の0.25%への引き上げ(7月)が行われました。これに伴い,大手銀行において住宅ローンの金利が上昇しています。特に,短期プライムレートの引き上げが大きな要因とされています。
(参考:NHK【「短期プライムレート」引き上げの動き広がる 国内大手銀行で】)

さらに,ネット銀行や地方銀行などの他行も,これに先行して貸付金利を引き上げる動きが見られます。これにより,変動型住宅ローン金利の上昇が予測されており,3メガバンクが17年ぶりに短期プライムレートを引き上げ,年1.625%に達しました。
(参考:読売新聞「変動型住宅ローン金利上昇へ、連動する短プラを3メガ銀が17年ぶりに引き上げ年1・625%に」)

今後の動向については,政治の情勢にも影響される可能性がありますが,貸付金利のさらなる上昇が見込まれています。私たちにとって,これらの変化が住宅購入や資金計画にどのような影響を与えるのか,引き続き注視していく必要があるかと思われます。

株式分割をする会社が増加

上場企業の株式分割によって,株の取引が促進されます。

1株を1万円以下や5千円以下にするなど,投資促進のため,株式分割をする上場企業が増加しているようです。
(参考 NHK:【「株式分割」実施する企業が増加 NISA拡充で個人投資呼び込む】)
7月までに株式分割した上場企業は,139社だそうです。

株式分割とは,資本等を変えないで,基準日に所有している株主の株式を1株あたり数株の割合で増加させることをいいます。(会社法第183条各項)

上場企業が株式分割をする要因としては,株価の高騰により,1株あたりの株価が増加し,本邦の株式市場ですと,ほとんどの会社の単位株式数が100株のため,例として株価が1万円以上の1回の取引で100万円以上になってしまいます。そこで,株式分割により,1株あたりの単価を下げて,1回あたり数十万円程度で取引できるようにしたり,場合によっては,1株あたりの株価を2,000円以下にして,1回の取引を20万円以下にすることで,さらに投資を呼び込もうとしています。
(参考 会社四季報オンライン編集部【2024年8月に基準日を設定して「株式分割」する銘柄一覧】)

ただし,多くの人が当該株式の取引に参入してきた場合には,NISAによる取引の増加要因を含めて,株価の乱高下が激しくなることもありますので,慎重な判断も必要かと思います。

株価が落ちることの一考

日経平均株価が歴代2位の下落率というというニュースがありました。終値ベースで-2,216円だそうです。
(日本経済新聞社「日経平均株価の下落幅とは ブラックマンデー時3836円安」)

おそろしく平均株価が下落したわけですが,理由としては,日本経済新聞社の分析によると,「売りが売りを呼ぶ」プログラム取引の影響だとしています。そのほかに元の売りの発端等を分析すると,理由は様々ですが,特にアメリカの景気後退局面における利下げや,日本銀行の量的緩和政策解消に伴う利上げの要因による株価の調整局面であったというものがあります。
(参考:ロイター「日経平均は大幅続落、円高と米景気減速感で 今年最大の下げ」)

本年の新NISAに伴う投資の需要の増加により,多額の資金が投資信託マーケットに流入により,今までは株価を押し上げていたのかもしれませんが,今回の下落傾向は,NISAを利用されている方にもかなりの心理的な影響を与えます。
(参考:野村総合研究所「新NISAが投信マーケットに与えた影響をビジュアル化してみた
(参考:日本経済新聞社「海外株投信の資金流入最高 1〜6月、新NISA開始で」)

今回の株価下落で短期的には痛い目をみるかたもおられるでしょうが,投資先は慎重に検討を促すよい機会になればと思います。

ブロックチェーン上の消せないデータ

消せないということは,ブロックチェーン技術が存在している限り,もっと懸念されるのは,人類が存在している限り,消えることがないデータが存在することになりかねません。

今日は,ブロックチェーンでデータが残せる技術についてはなしをします。

ブロックチェーンは,電子上の価値や暗号通貨(ビットコイン等)の取引履歴等の記録を
1.分散して記録し(中央コンピュータに記録を依存しない)
2.消去,改ざんが困難にする
といった特性があります。

この分散記録の技術は,本邦ではウィニーというソフト等で,ソフトウェアの配信を目的として,過去に似たような技術が使われていましたが,ブロックチェーンでは,その技術が進化させ,データの改ざんを困難にすることにより,主な目的として,暗号通貨の運営に利用されてします。

また,最近ではブロックチェーンの技術を使って,古いコンピュータやコンシューマゲーム機(スーパーファミコン等)のソフトの記録等に応用することもできるようなったようです。
(参考:コインテレグラフジャパン「ビットコインブロックチェーンでスーパーファミコンのゲームを記録 プレイも可能に」)

古いゲームソフトの記録には,著作権等の問題もありますが,保存するのに改ざん等がなく最適な分,世間から簡単に消せなくなるといった問題が生じることになります。

この「消せなくなる」という懸念は,すでに児童の保護といった分野で問題が顕在化しているようです。
(出典:栗原潔 氏 弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授「究極の迷惑行為?:ブロックチェーン上に消せない児童ポルノ」)

中央集中型のデータベースであれば,管理者が消去するといった対応が可能ですが,ブロックチェーン技術は,今後,確実に消すことができるよう課題を解決しなければ,脅迫や詐欺の温床になることや著作権違反等著しい権利の侵害が発生するおそれがあることを忘れてはいけません。

FXや株式等の自動取引の怖さ

FXには,様々な自動取引のサービスが提供されており,便利である一定の財産を時間の経過によって増やしてくれる効果が期待できます。しかしながら,様々なリスクもあるようです。特に以下の2点の懸念事項が考えられます。

1.急激な値動きに耐えられないこと,あらかじめリスクから逃げておく準備がされないこと
 急激に価格が上下した場合には,そのリスクを追わなければならず,手動取引で経験のあるかたなら,イベント時期やニュース等によって,リスクをとって取引を控えようとしますが,自動取引の場合,値動きに合わせて自動で取引してしまいます。
(参考:インヴァスト証券「FXの自動売買とは?メリットやデメリット・初心者向けのコツについて解説」)


また,たくさんの自動取引がかえって急激な市場価格の変動を助長することが確認されています。
(参考:大和ネクスト銀行「ドル円の「フラッシュ・クラッシュ」なぜ、どのような時に起こるのか ?」)

2.手数料が多く発生するようにプログラムされている恐れがある
売買回数が多いほうが,取引業者の利益があがるため,自動取引の場合,投資者と利益相反状態になります。このことから,プログラムの内容によっては,手数料が多くなってしまい,かえって利益を損ねてしまうことがあります。
(参考:上記インヴァスト証券ウェブサイト)

また,あまり損が多額になってしまうと自動取引を中の取引業者が勝手に手動取引にしているケースもあるようです。
(参考:弁護士ドットコム「FX自動売買ソフトで大損、実は人間による「裁量トレード」だった…販売業者らに3000万円賠償命令」)

結局,生成AIやプログラムによる自動取引も人の判断に比べて良し悪しがあると言わざるを得ないと思われます。

アメリカとスイスの銀行の破綻

預金の急激な移動と債券市場の動向が影響しているようです。

今日は,3月に生じている金融の混乱の話をします。

背景が少々難しく,銀行破綻の理由もわかりにくいため,ニュースを参考によく読み解いていく必要があります。。
(NHK:「相次ぐ銀行破綻 アメリカで何が起きている?背景に何が…」)

破綻している銀行は以下のとおりです。
1.シリコンバレーバンク
 アメリカ地銀で2番目の規模の破綻のようです。
2.シグネチャーバンク
 同じくアメリカの地銀です。暗号資産業者への取引が引き金のよう。
3.クレディ・スイス銀行
 スイスの投資銀行で,AT1債(自己資本に組み入れられる劣後債)が無効化されるということで物議を醸し出しました。
4.シルバーゲートキャピタル
 暗号資産業者を中心とする銀行で,同業種の経営難が影響しているようです。


また,次の銀行も懸念が示されています。
・ファースト・リパブリック銀行
 アメリカの地銀で,預金の流出で株価が暴落。
・パックウェスト銀行
 アメリカの地銀で,預金の大量流出が報道されました。

いずれも,預金の流出が発端のようで,預金の流出は,「デジタル・バンクラン」と呼ばれる,SNS等による口コミによるものと,ネットバンキングによる資金移動のしやすさが主な理由のようです。
(参考 ロイター:「コラム:デジタル・バンクランと債券急落、年後半の日本経済に下押し圧力」)

預金の流出により,流動資金を用意するため,銀行が債券を売却しますが,金利(国債利回り等)の上昇による最近の債券市場の価格低下が起きており,債券売却時の評価損が,銀行の財務状況を悪化させているようです。
(参考 東洋経済新報社:「配当不能に?「評価損」で地銀を襲う新たなリスク」)

アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)はそれでも,インフレ対策として,政策金利を上げ続けているため,さらなる金融システムへの混乱が生じないか,心配なところです。
(参考:NHK「FRB 0.25%利上げを決定 インフレを抑えこむ決意打ち出す」)

ステルスマーケティング

ステルスマーケティングは,広告とわからない状態で中立的な一消費者を装って、周囲に宣伝と気付かれないように商品を宣伝する手法をいい,「やらせ」や「さくら」と批判されやすい宣伝手法です。
(参照 日経クロステック:ステルスマーケティング

ステルスマーケティングの宣伝手法は,古くから使われている手法で,社会的に話題になったところでは,オークションに芸能人を利用して広告とわからない状態で宣伝したものなどがありました。

ステルスマーケティングは,手法によっては,不当表示になることもあり,利用した企業の倫理を疑われる危険性があります。

当事務所では,ステルスマーケティングを行うほど,影響力もないので,行っておりませんが,今後司法書士もそのような広告方法は,品位を欠くということを理由に禁止されるかもしれません。