Fedora45のリリースとアップデート

Fedora 45は、PHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619:PHP2shell、 参考:情報処理推進機構「PHPの脆弱性対策について」)の影響か、あるいはLinuxカーネルのTCPの脆弱性(CVE-2026-98432 参考:piyolog「Linuxカーネルの脆弱性 CVE-2026-98432 についてまとめてみた」)の影響かはわかりませんが、リリースのスケジュールが延期となっていました。
先日ようやくリリースされたため、メインサーバーとサブサーバーをFedora 45にアップデートしました。

方法は以下のとおりです。

まずは、Fedora 44で最終アップデートを行い、必要に応じて(カーネルのアップデートがある場合などは)再起動します。

dnf upgrade --refresh -y
reboot -n

次に、Fedora 45をダウンロードして、PGPを確認します。

dnf system-upgrade download --releasever=45

PGPは以下のサイトで確認します。 「Fedora Keeps You Safe」

そして、アップデートを実行します。

dnf5 offline reboot

アップデート後の状況として、WordPressのバージョンが6.9系から7.1系に変更されたため、データベースのアップデートが行われました。
Nextcloudに関しては特に変化はありませんでした(通常のアップデートと同じ作業です)。


また、アップデート後に不具合が発生しました。Webログ管理ツールの「awstats」がFedora 44用のままになっていたため、Fedora 45のSELinuxポリシーとの間で不整合が生じたことです。

状況を確認すると、以下の通りパッケージがfc44のままでした。

dnf list --installed awstats
# 出力結果:awstats.noarch 8.x-x.fc44 updates

この対処として、エラーが出た後に手動でポリシーモジュールを作成し、インストールしました。

sudo ausearch -m AVC -c awstats.pl -ts today | audit2allow -M awstats_local
sudo semodule -i awstats_local.pp

インストール後、以下のコマンドでポリシーが適用されたか確認します。

sudo semodule -l | grep awstats_local

運用していく中で、他に何かあれば、その都度対応して情報を共有する予定です。

中古住宅を購入するときの注意点--近隣調査も慎重に

中古住宅の購入には、価格を抑えられることや、実際の住宅を見てから購入できることなど、購入する人の意図によっては大きなメリットがあります。

しかし、新築住宅と比較すると、既存の不具合や瑕疵が一定の確率で存在するのも確かです。そこで、購入する側の立場から、注意点を整理しました。

1.売買契約書の内容は慎重に確認する

契約不適合責任の範囲や期間、設備の故障に関する取り決めは重要です。そもそも契約書を最後まで確認しないケースも多いため、契約前に内容を確認しておくことを強くおすすめします。(例 全宅連「不動産売買契約書」)

2.土地の境界が明確か確認する

意外かもしれませんが、公図や登記されている地積測量図だけでは、土地の境界がはっきりしない場合や、登記内容と実情が異なる場合も少なくありません。
また、古い事例では測量する人によって結果が異なっていたり、地震などによって境界が変化したりすることもあります。そのため、購入前に改めて測量や境界の確認が必要になる場合があります。
(参考 東京土地家屋調査会「境界確認」)

3.建物の登記内容と現況が一致しているか確認する

増築や改築が登記されておらず、登記上の建物と実際の建物が異なる場合は少なくありません。住宅ローンの審査や将来の売却に影響することもあるため、確認が必要です。
(参考 埼玉土地家屋調査士会「建物に関すること」)

4.将来、建て替えができる土地か確認する

道路との接道状況によっては、建て替えができない場合があります。また、市街化調整区域では建築に制限があることもあります。購入前に都市計画図や自治体の窓口などで確認しておきましょう。
(参考 長野市「市街化調整区域内で開発行為・建築行為をする場合について」)

5.建物の状態や近隣住民、周辺環境を確認する

建物に雨漏り、シロアリ、基礎や外壁のひび割れ、給排水設備の不具合などがないか確認しましょう。必要に応じて、建築士などの専門家による住宅診断を利用する方法もあります。

また、近隣の騒音や住民間のトラブル、自治会活動、ゴミ出し、除雪などの地域のルールも確認しておきましょう。
特に近隣住民との関係は、長く暮らすうえで重要な要素です。

このように、中古住宅は建物だけでなく、土地や周辺環境にも注意が必要です。購入後に問題が発覚すると、解決に時間や費用がかかることもあります。
契約前に十分な確認を行い、納得したうえで購入することが大切です。
(参考 東京第二弁護士会「近隣住人とのもめごとを解決したいです。」)

当事務所としては、知人間の売買や実績の乏しい不動産業者に依頼するよりも、よく相談したうえで、信頼できる不動産業者に売買を依頼することが、上記の問題を解決する近道だと考えています。

通常、不動産業者は売主に対しても必要な確認や対応を求めます。
一方で、知人間の売買は、一見安く済むようでも、後々大きなトラブルになることがあります。
親戚のように、もともと住宅の価値や特性をよく知ったうえで購入するのであれば問題も少ないと思いますが、他人から購入する場合は、慎重に検討することをおすすめします。

PHPの大騒動とFedoraでのアップデート

世間的には令和8年10月21日午後11時の段階で、外部サーバー類のWebを使ったプログラムとして多く利用されているPHPの緊急メンテナンスをするよう告知がありました。
(参考:piyolog「PHPの2件の深刻な脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)についてまとめてみた」)

FedoraでWordpressを利用している当サーバーもPHPのアップデートが必要となり、緊急メンテナンスを実施。

公式のリポジトリでは、PHPのアップデートが間に合わないため、Koji(ビルドパッケージ)からダウンロードしました。以下はその手順です。

1. Kojiをインストール

dnf install koji

2. RPMを取得

mkdir -p ~/php-8.5.12
cd ~/php-8.5.12
koji download-build --arch=x86_64 php-8.5.12-1.fc44

3. 取得したRPMを確認

ls -lh *.rpm

4. 更新内容を事前確認

dnf upgrade ./*.rpm --assumeno

問題がなければ、次へ進みます。

5. PHPを更新

dnf upgrade ./*.rpm

6. PHPのバージョンを確認

php -v
rpm -q php php-common php-cli php-fpm

PHPが「8.5.12-1.fc44」 になっていれば完了です。

追記、令和8年10月23日現在で、dnfによる公式のリポジトリでアップデートできるようになっています。

なぜ教えてくれないのか?住宅ローン完済後の「抵当権抹消」

一般的に会社員の方が住宅を買う場合は、不動産に対して抵当権付きで住宅ローンを組み、長期間の返済を経て完済します。

完済後には、金融機関等から抵当権の抹消手続きの書類を渡される場合が多く、その際に司法書士に依頼するか、自身で法務局に何度も通ったり、法務局のホームページ等で資料を集めたりして抵当権を抹消するよう説明を受けます。

しかしながら、金融機関の担当者が、必ずしも抵当権の抹消の必要性や方法について説明してくれるとは限らないようです。

特に説明を受けられないと思われる理由として、以下のことが考えられます。

  1. 抵当権者が保証会社であり、直接金融機関と関係がないことがある
  2. 抵当権抹消の費用について、難色を示す方が一定数存在する
  3. 「抵当権抹消の登記は簡単」という言説がある一方で、実際にはそうでない場合も多いため、対応や説明に苦慮する
  4. 抵当権抹消の登記について、委任状等の書類に追記が必要な場合が多く、その内容が難しいことが多いため、金融機関側に問い合わせされても責任が持てず、困惑する
  5. 完済により金融機関側の営業行為は基本的に終了しているため、顧客のタイプによっては、詳しい説明を避けたいという意識が働く場合がある
  6. そもそも金融機関から説明を受けたものの、「すぐに抹消手続きをする必要がない」旨を伝えられたため、その手続きを保留してしまい、抹消手続き自体を忘れてしまう

以上のことにより、金融機関が抵当権抹消の手続きについて説明をしていない、または説明はしているが(顧客側が)忘れてしまっている場合があります。

住宅ローンを完済しても、抵当権は勝手には抹消されません。抹消の手続きについて身に覚えがない場合は、今一度、不動産の登記簿謄本を確認されることをお勧めします。

本当の「おめでとう」は完済のとき

住宅や土地を購入した際、不動産業の方や投資目的で購入される方以外であれば、人生で最大級の買い物となるため、決済時には関係者から「おめでとうございます」と声を掛けられることが多いものです。

特に住宅の購入は、勤労者世帯にとって人生における非常に重要なイベントであるため、なおさら、おめでたいイベントであると言えます。

しかしながら、住宅購入には多額の資金が必要となるため、多くの方が住宅ローンを利用されます。
住宅ローンを利用すると、住宅や土地に「抵当権」が設定されることになります。
つまり、金融機関や保証機関の担保が設定されるため、所有権を取得していても、その処分等には制限が伴います。
よって、厳密には「完全な所有権を得たわけではない」という考え方もできるわけです。

最近では、当職と同世代の方や退職を控えられた方を中心に、住宅ローンの完済に伴う抵当権抹消登記のご依頼が増えてきました。
抵当権を抹消すれば、住宅や土地は完全に自分たちのものとなり、自由な処分も可能となります。

住宅ローンの返済は何十年にも及ぶことが多く、完済までの道のりは長く、経済的なやりくりにも大変な思いをされたことでしょう。
だからこそ、完済したときこそが本当の「おめでとうございます」のタイミングだと思います。

なお、完済後の抵当権抹消は、早めに司法書士にご依頼されることをおすすめいたします。

個人情報の流出事案の大発生

個人情報の流出に関するニュースが多発しています。
(参考:日本経済新聞社「個人情報流出」、朝日新聞社「【随時更新】個人情報の漏洩の恐れ、公表した主な企業一覧」)

流出・漏洩の件数においても、数百万件規模の流出が頻発しているようです。

個人情報の流出が多発している原因については、セキュリティ現場の感覚ではある程度想定できているとは思われますが、今後さらに分析されていくことが予想されます。

思い当たる原因を挙げると、以下の通りです。
(参考:ダイヤモンド・オンライン『サイバーセキュリティーの常識が崩れた…「個人情報」の流出を防ぐ“身も蓋もない方法”』)

1.生成AIの利用 AIの利用によりプログラムの開発が比較的容易となり、ある程度のスキルがなくてもセキュリティを突破するツールを制作できるようになった。

2.本国内が標的にされている疑い 経済規模や人口数の多さから、データセンターの利用頻度が比較的高いと想定されるため、狙われやすくなっている。

3.VPN利用の増加 コロナ禍でリモートワークが増加したことに伴い、オフィスと外部を結ぶ接続点としてのVPNが増加し、外部から狙われやすくなった。

今後、金融や行政システムなど、社会の根幹をなすシステムのセキュリティが突破されるおそれもあります。その際は、災害対応に類似した対応が必要となるかもしれません。

【警告】メモリー価格が爆騰している理由

最近の生成AI向けの需要や、サーバー、データセンターの需要により、メモリーの価格が上昇しています。
また、スマートフォンだけでなくパソコンにおいても、記憶媒体が磁気(ハードディスク)からメモリー(SSD)へと置き換わってきており、さらにグラフィックボード(GPU)やTPUなども生成AIの影響で需要が増加しています。
その結果、パソコンはそのほとんどが半導体によって構成される装置となりました。

ほかにも自動車では、内部制御やアクセサリーについても、単なる制御回路だけでなく、OSを搭載するなどのより複雑な端末へと変化してきており、生活のあらゆる場面でメモリーが必要になっています。

こうした需要の激増は数年前までは予想されていなかったためか、国内メーカーでは半導体部門を売却したり、撤退したりした経緯もあり、国内生産だけではほとんどまかなうことができず、結果として東アジアの他国に依存する形になっています。

これらの需要増に加え、海外依存の体制と円安が影響し、メモリー価格は驚異的な上昇を見せています。
(参考:第一ライフ資産運用経済研究所「半導体市場で今起こっていること」)

もともと半導体市場は、「シリコンサイクル」と言われるように、4年周期ほどで供給過剰と価格下落を繰り返してきましたが、今回はその周期の壁を破って上昇に推移しています(前述参考)。

急激なメモリー価格の上昇は、パソコンやスマートフォンなどの端末製品の価格を押し上げており、一般消費者が気軽に購入しづらい状況となっています。
(参考:一般社団法人電子情報技術産業協会「パーソナルコンピュータ国内出荷実績」出荷金額統計/出荷台数より算出)

パソコンはあらゆる仕事においても欠かせない存在です。一日も早く、メモリー価格の上昇が落ち着いてほしいと願うばかりです。

Sambaサーバーの遅延対策とRsyncによるバックアップの改善

Sambaは、WindowsとLinuxのファイルシステムをつなぐ重要なサーバー機能ですが、最近、一部のSambaサーバーで遅延が発生し、Windows端末での操作に支障が出ることがありました。

Sambaのアップデートでは、古いSMBプロトコルや認証方式の扱いが変更されることがあります。事務所では、古いスキャナーやプリンターなどを接続していることもあり、設定変更には慎重になります。

今回、実際に発生した問題について、2点変更したところ改善しました。

1.Rsyncのパーミッションエラー

Windowsにはrobocopyがありますが、差分バックアップではRsyncも比較的高速で便利です。当事務所では、RsyncとFedoraサーバーへのSSH接続のためにCygwinを利用しています。

Rsyncでは、

rsync --delete -t -v -r --perms /cygdrive/c/path //Sambaserver/backup-path

としていましたが、Sambaサーバー側でパーミッションのエラーが発生しました。

そこで、

--perms

を

--no-perms

に変更したところ、正常にバックアップできるようになりました。

--permsは転送元のパーミッションを転送先にも設定するオプションです。バックアップ先でパーミッションを再現する必要がなければ、--no-permsで問題ありません。

  1. 不要なサーバーではNT1を無効にする

古い機器との互換性のため、SambaでSMB1(NT1)を許可している場合があります。

今回、古い機器と接続する必要のないSambaサーバーについて、

;server min protocol = NT1
;ntlm auth = yes

として、これらの設定を無効にしました。

その結果、Windows端末からSambaサーバー上のテキストファイルを開く際などに発生していた遅延が改善しました。

ただし、古いスキャナー、プリンター、スマートフォンなどが接続されている場合は注意が必要です。設定変更後に、それらの機器からSambaサーバーを利用できるか確認した方が安全です。

今回、

  • Rsyncの--permsを--no-permsに変更
  • 不要なSambaサーバーでSMB1(NT1)を無効化

したところ、バックアップが正常に動作し、Windows端末からのファイル操作も改善しました。

古い機器との互換性が必要な環境では無理に設定を変更する必要はありませんが、必要のないサーバーまで古いプロトコルを有効にしておく必要もありません。
接続する機器に応じて、設定を分けておくことが重要だと思います。

AIチャットでインストール方法の案内を求めると、READMEすら読まなくなる

最近、ソフトウェアを導入する際の手順が劇的に変わったと感じています。

WindowsでもFedoraでも、今ではGitHubなどで公開されているツールを利用することが一般的になりました。以前であれば、まずは真っ先にREADMEを開き、マニュアルを読み込み、さまざまな事項を確認しながら構築を進めていました。

ところが最近では、ChatGPTに代表される生成AIに「このツールのインストール方法を教えて」と聞きながら進めることが増えました。

この「対話方式」での導入は、驚くほど効率的です。
もし途中でエラーが出ても、その内容をAIに伝えれば、すぐに解決策や修正案を提示してくれます。
マニュアルを読み解いたり、ユーザーフォーラムの古いスレッドを巡回して自身の環境に合う答えを探したりする手間が、ほぼなくなりました。

結果として、完成までの時間は飛躍的に短縮されました。
以前なら時間がかかりすぎて諦めていたような高度なシステム構築や開発も、生成AIとの対話を通じて完遂できるようになりました。
システム管理やソフトウェア開発における生産性は、間違いなく「革新的」に向上したと言えます。

しかし、この便利さに浸る中で、ある種の危機感を覚えるようになりました。
それは、私自身がREADMEすら読まなくなってしまったということです。

これは単なる効率化ではなく、思考の「怠惰」への入り口ではないでしょうか。

世の中には、「生成AIがいつか人類を滅ぼす」という議論が存在します。
例えば、BBC JAPANの記事で紹介されていた米アンソロピックの研究者が、「AIが全人類を滅ぼす可能性は10%以上ある」と警告していたことには非常に衝撃を受けました。
(参照:BBC JAPAN『AIが「全人類を滅ぼす」可能性は「10%以上」 米アンソロピック研究者が警告』)

今後、どう生成AIと向き合っていくべきなのかは、非常に注目すべき点かと思います。