急に良く知らない親族の財産を相続したとき

いきなり、親交のない親族の財産を相続して、遺産分割協議を求められたら、どうしますか?

今日は、親交がなかったり、良く知らない親族の財産の遺産分割協議を求められた場合について、話をします。

親交のない親族の相続とは、以下のパターンが例としてあります。
1.父母の兄弟(特に片方の親が違ういわゆる半血兄弟等)の兄弟姉妹の相続の代襲相続人として相続
2.父母の再婚前後の子どおし(いわゆる半血兄弟)の相続

これらの場合で、亡くなった方が遺言書を書かなかった場合、相続人として親交のない親族(おい、めい等)も遺産分割協議に関与することになります。

そこで困るのが、対応です。慎重に対応しなければならない理由があります。
1.遺産をすべて把握できているか
 例えば、遺産分割協議が必要で、連絡してきている親族が、すべての財産を開示してきているのか、また調べきれているのか否か
2.負の遺産があるのか否か
 たとえ遺産分割協議しても、負の遺産(借金等)は、特定の相続人が相続させるといったことは簡単はできません。一般的に債権者の承諾が必要です。

そういったときには、あまり関わりたくないということで、相続放棄をされるかたも多いです。

親交がなかった親族と遺産分割協議をする場合は、慎重に検討したほうがいいと思われます。

遺言書を書く勇気

本日は、遺言書が必要な場合の話をします。

遺言書を書いておこうという、意思をすでにお持ちの方は、特にアドバイスすることではないのですが、遺言書を書いたことがない方にしてみれば、準備しておこうという気には、なかなかなれないものです。

それでも、遺言書が必要な場面というのが、いくつか生じる場合があります。

遺言書が必要なパターンは、以下の通りです。

1.相続人の中に行方不明の方がいる場合
2.相続人の中に海外へ移住されている方がいる場合
3.相続人の数が多い場合、特に兄弟姉妹の相続
4.財産について、すでに争っている場合

このような場合には、実務やってきた中では、遺言書を作らなかったため、後で手続きが行き詰まったということが発生しています。

後世のためにも、当てはまる方は、是非作ることを検討してみてください。

続•相続登記の義務化?!

相続登記の義務化が検討されているようです。

https://this.kiji.is/729212854903160832 出展 共同通信社

罰則も検討されています。

罰則の内容は、3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料だそうです。

この基準を取締役の登記のように当てはめると、3年過ぎた後に登記した場合、過料制裁の通知が裁判所から来るようになるかもしれません。

実際、相続登記は、遺産分割協議の後に行われることが圧倒的に多いため、3年という期間の間に全ての相続人で合意できればいいのですが、合意できなかった場合、法定相続登記をすることになりそうです。

しかしながら、法定相続登記をした場合、さらに遺産分割による登記をいずれする必要があったり、法定相続の割合で登記したままにしておくと、処分しづらかったりするため、色々と不都合が出てきそうです。

今後どのようなに制度化するのかが、非常に気になるところです。

相続の争い対策

相続の争いは、非常に困難が多いです。

相続の争いは、相続人間で、相続が始まった(つまり被相続人の死亡)ときに誰がどれくらい相続するかを揉めているの場合に限らず、被相続人が存命の間に既に起きていることが多いです。

既に起きているというのも、相続の争いは家族間の生前起きている、ボタンの掛け違いから発生する場合も多いからです。

相続争いに対する対策には一般的には、遺言書を作成しておくのが最も効果的であることはよく知られていますが、もめているときは、なにをしてももめるのは、しかたのないことです。

そこで、被相続人が存命のうちに、あらかじめ、財産を相続人になるべき人(推定相続人のひとり)に贈与するなり、売買するなりして、処分する方法も考えることができます。

争いの元となる財産をあらかじめ処分して、無きものにしておけば、争いがより小さく抑えられるわけです。

しかしながら、生前に処分する場合と相続する場合で、費用と手間を比較することによって、決めていくのがベストであるということになるのです。

また、生前の処分もたとえ費用がかかったとしても、将来発生するだろう、争いごとをなくし、ある程度の心理的負担を軽減することができます。

争いの元をあらかじめ、無くしておくというのは、本当に争っていて、居ても立っても居られない場合には、たとえ費用がかかっても、検討の余地があることなのかもしれません。

空家対策&長期相続登記未了土地

すごい先祖からのお知らせか。
遠い親戚からのお土産か。

今日は、空家対策と長期相続登記未了土地の話をします。

全国的に、かなり多くの司法書士が、長期間名義変更をしていない土地や、相続関係の複雑な空家について、相続人が誰であるかの調査を、法務省や市町村等から委託を受けて行っています。

この作業は、過去や現在の戸籍をひたすら調査することによって、法律上の相続人(法定相続人)を探すため、かなりのボリュームとなります。

最終的には、調査した内容を法務局が法定相続人情報として保管したり、行政機関から調査した相続人に対して、相続登記を促す通知が出しているようです。

多くの場合、相続人にとって、よく知らない親戚の名義となっているため、受け取った人は、かなり驚くことでしょう。

また、相続人は、かなりの数に上ります。
ということは・・解決は困難とも言えます。

今後、こう言った作業を通して、どのような施策が打たれるようになるのかはわかりません。
強制的な名義変更や強制的に別名義にしたりするのでしょうか。

相続登記義務化

任意の相続登記が義務化される方向にあるようです。

罰則規定も設けられる可能性があります。

既に土地の表示登記は、義務化されていますが、
実際、すべてが登記されているわけでもないようです。

煩雑な相続登記の多くが表沙汰になるのでしょうか。

出展:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41053410Y9A200C1MM0000/

相続法改正続き

相続法改正のはなしを続けます。

以下の改正があります。

1 配偶者居住権の創設

故人の配偶者の居住している建物に賃借権に似た居住権を取得させることができます。

登記できる権利です。

2 遺産分割の見直し

(1)婚姻20年以上の配偶者に持戻免除

(2)遺産分割前に相続された預貯金の一部払い戻し可能

(3)遺産の処分による不公平の是正

(4)遺産の一部分割の明確化

3 遺言制度の見直し

(1)自筆でない財産目録の緩和

(2)遺言執行者の権限の明確化

遺贈の履行の専任、特定財産承継遺言に対する対抗要件具備等

(3)法務局への保管制度

4 遺留分侵害請求権に対する、金銭債権化(遺留分侵害額)

このほかは、今度説明したいとおもいます。

相続法の改正(民法の改正第○段)

7月1日に相続法の改正が施行されます。

配偶者居住権、遺産分割の規律変更、預貯金債権の遺産の一部払戻し、遺言執行者の職務明確化等があります。

でも、最も目についたのは遺留分の金銭債権化ですかね。

また、詳しくは今度書こうと思います。

不動産の名義変更(相続登記)は必要か否か

名義を変更しておかないと、不動産に対する税金や修繕等の義務はいつか、誰かに知らぬ間に降りかかってきます。

今日は不動産の名義変更は必要か否かのはなしをします。

不動産名義を変更することは、後々売ったり処分したりするのに必要です。
という説明はよくすることがあります。不動産の財産として維持していき、価格を下げないようにするためにも必要なこととは思います。

しかしながら、財産の維持だけでなく、不動産を持っていると、不動産自体を直したり、修繕したりする義務が発生します。
また、不動産に対してはほとんどの場合、 固定資産税がかかります。
税の支払いについては、名義になっているかたにかかってくるわけですが、名義がはっきりしない場合には、取れる人から取る方式で、税金が徴収されます。

この取れる人から取る方式が厄介で、いつ自分に降りかかってくるか予想がつきません。
取れる人から取るため、不動産を実際管理している相続人とは限りません。
一人の相続人が支払えなくなった場合には、他の相続人に請求されることになるでしょう。

実は一人の相続人が支払った場合であっても、払った相続人は、他の共有者にその払った税金を法律上、請求することができます。
このことは、名義が安定しない場合にはいつ請求されるかわからないというリスクが伴います。

以上、名義をはっきりさせることで、不動産の財産的価値をあげ、不安定な状態を解消していきましょう。