JUST PDFで電子署名? Acrobatなしでも申請用総合ソフトに対応

AcrobatがなくてもOK。 JUST PDF6で電子署名付き本人確認情報を作成し,申請可能でした。

通常,申請用総合ソフトで本人確認情報等を電子署名する際には Adobe Acrobat を使用しますが,JUST PDF6 でも作成・申請ができたのでご報告します。


✅ 事前準備:職印・印影の登録方法

1️⃣ 職印や印鑑の印影をスキャン (JPEG推奨,ペイントソフトでトリミング)
2️⃣ JUST PDF高度編集[ファイル]→[オプション]を開く


3️⃣ [電子署名]→[署名の表示設定]→[グラフィックあり]を選択
4️⃣ [画像ファイルから選択]→[参照]をクリックし,スキャンデータを指定


5️⃣ [OK]をクリックして完了


✅ JUST PDF6での電子署名手順

1️⃣ Wordや一太郎で本人確認情報を作成し,PDF化
2️⃣ JUST PDF高度編集でPDFを開き,運転免許証などを後ろのページに挿入


3️⃣ [セキュリティ]→[電子署名]→[証明用の署名(変更制限)を付与]を選択


4️⃣ マウスカーソルで署名位置を指定


5️⃣ [デジタルIDの追加]→[既存のデジタルIDファイルを指定]を選択し進める


6️⃣ 電子証明書(.p12)を選択し,パスワードを入力


7️⃣ [登録済みのデジタルID]が自身の氏名となったら[次へ]をクリック,再度パスワードを求められるので入力して,署名理由を[この文書の作者です。]とし,PDFに署名


8️⃣ 本人確認情報のPDFを再度ファイルとして記録するウインドウに推移するので,ファイルを保存して完了


✅ 署名の確認方法

🔹 JUST PDF高度編集で「有効性の不明な署名があります。」と表示されてもOK


🔹 Acrobat Readerで再度開き,時間が経つと [署名パネル] が表示される


🔹 署名欄の[>]マークをクリックして展開して,画面のとおりになっているかを確認する
一応,Acrobat等で作成した本人確認情報と署名パネルを比較して,「署名理由」と「変更は許可させていません」,「バージョン1」以外の場所に違う記載がないかを確認して,違いがなければ完了です。


✅ 申請用総合ソフトへの添付

上記手順で作成した 電子署名付きPDFを申請用総合ソフトで添付 すれば 問題なく申請可能でした。

Acrobatに依存しない方法を探している方は、ぜひ試してみてください

法務局に提出する原本還付のコピーのサイズに要注意

今日は,法律的な話ではないのですが,法務局に提出する書類のコピー作成時の注意点についてお話ししたいと思います。

法務局では,運転免許証等のコピーを除き,基本的に原本の提出が必要です。ですが,原本を返却してもらうために「原本還付」の手続きを行うことができます。
(参考 法務局「申請情報(申請書)と併せて提供する情報(書類)は原本でなけれ
ばならないのですか?
」)

原本還付の手続きとは,原本と同じ内容のコピー(謄本)を作成し,司法書士などの提出者が「原本と相違ない」ことを証明することで,原本を返却してもらうというものです。

コピーのサイズが変わると補正が必要に?

ここで気をつけてほしいのが,スキャナーの設定です。

スキャナーを「自動設定」のままにしていると,用紙サイズが勝手に最適化され,原本と比率が変わってしまうことがあります。特に,原本がB5やA5サイズだった場合,A4に引き伸ばされてしまうことがあります。

この状態でコピーを提出すると,法務局から「補正(コピーの再提出)」を求められることになります。

ミスを防ぐためのポイント

スキャナーの設定を「自動」ではなく,A4固定などに変更する
 (参考 セイコーエプソン社「拡大/縮小と解像度の関係」)
原本とコピーを重ねてサイズが合っているか確認する
比率が変わってしまった場合は,再度スキャンし直す

法務局に書類を提出するときは,内容だけでなく,形式的な部分にも注意が必要です。コピーのサイズが変わるだけで,余計な手間が増えてしまうので,ぜひスキャンの際は設定を確認してください。

不動産登記の所有者にメールアドレス登録

令和7年4月から,土地建物の新たな所有者(例:売買による買主や相続人など)に対し、以下の情報(検索用情報)の登録が求められるようになります。

  • メールアドレス
  • 名前とそのふりがな
  • 生年月日
  • 住所

登録の目的と背景

この制度の導入背景は,令和8年度からの住所変更登記の義務化にあります。

令和8年4月からは,不動産の所有者に住所変更があった場合,2年以内に住所変更登記を行うことが義務付けられます。

この義務化に伴い,メールアドレスの登録をしておけば,住所変更があった際に以下の流れで登記手続きが進められます。

  1. 法務局からメール通知が届く
  2. 所有者が変更内容を確認・了承
  3. 登記官が職権で住所変更登記を自動的に実施(予定)

これにより,手続きの簡略化住所変更漏れの防止が期待できます。
(参考:法務省「令和7年4月21日以降にする所有権の保存・移転等の登記の申請について」)


今後の手続きについて

今後,所有権に関する不動産の登記手続きを行う際には,司法書士が新たな所有者(例:買主や相続人)に対し,事前に以下の情報を確認することになります。

  • 登録するメールアドレス
  • 名前のふりがな

注意点

  • 登録したメールアドレスに誤りがあると,通知が届かなくなるため,慎重な情報提供が求められます。
  • 住所変更登記の義務に違反した場合,罰則規定の適用がされる可能性が出てきます。

まとめ

この新制度は,不動産の管理をより円滑に行うためのものです。
特に不動産を新たに取得される場合には,メールアドレスの事前登録にご協力いただくよう,よろしくお願いいたします。
不明点がある場合は,司法書士などの専門家に早めにご相談ください。

(メールアドレスのふりがなは,手書きの登記申請書以外は不要となりましたので,その部分は削除しました。令和7年1月16日修正)


外国人氏名の不動産登記における変更点について(令和6年4月施行)

本年4月から,外国人氏名の不動産登記に関する方法が一部変更されました。以下に新しい登記方法についてメモとして記載します。外国人所有者の登記にたずさわる際の参考になれば幸いです。


従来の登記方法

以前は,外国人の場合に「名→姓」の順で氏名を記載することが一般的でした。
例えば,Michael Jordanという氏名の場合,登記上では以下のように記載されていました:

  • 従来の例
    「ジョーダン・マイケル」(姓→名,間に中点)

※参考:「金山国際司法書士事務所 外国人の姓名表記について


令和6年4月以降の変更点

  1. 「名→姓」の外国人の一般的な呼び方で登記が可能に
    Michael Jordanの場合,登記上も「マイケル・ジョーダン」と記載できるようになりました。
  2. ローマ字(全角大文字アルファベット)の追記が必要
    併せて,ローマ字表記をカッコ書きで追加しなければなりません。これにより,外国人名義の登記がより明確になります。また,旅券の写しと原本証明が必要です。
  • 新しい例
    「マイケル・ジョーダン(MICHAEL JORDAN)」
    (カタカタは中点,ローマ字は全角スペース)

※参考:法務省「<外国人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の記載例>」(赤字が令和6年4月1日以降に登記の申請をする場合の追加記載事項)

なお,代位の登記等でローマ字がわからない場合には,例外的に必要ないとのことです。


本件に関連する具体的なご質問や登記の実務に関する不明点があれば,法務局や専門家にご相談ください。新しい方式を適切に活用し,スムーズな手続きが進むことを願っています。

法律系士業の役割と業務範囲について

法律系の士業(弁護士や税理士など)は,その資格ごとに法律で定められた業務範囲があり,取り扱える業務とそうでない業務が明確に区分されています。当事務所では,取り扱えない業務が発生した際にはその旨をお伝えし,他の士業をご紹介するか,他士業に引き継ぐ形で対応いたします。以下に代表的な法律系士業の役割と業務範囲をご紹介いたしますので,参考にしていただければ幸いです。

各士業の主な役割と業務内容

  • 弁護士:訴訟事件や一般的な法律業務を担当します。(弁護士法第3条第1項)
  • 公認会計士:財務書類の監査と証明が主な業務です。(公認会計士法第2条第1項)
  • 税理士:税務代理や税務書類の作成・相談,財務書類の作成を行います。(税理士法第2条第1項・第2項)
  • 司法書士:不動産や会社・法人の登記手続き代理,訴状作成,供託申請の代理を担当します。(司法書士法第3条第1項)
  • 土地家屋調査士:不動産の表示登記,土地建物の調査測量を行います。(土地家屋調査士法第3条第1項)
  • 弁理士:特許,実用新案,意匠,商標の申請代理や鑑定業務が専門です。(弁理士法第4条第1項)
  • 社会保険労務士:雇用保険や労災保険,健康保険,年金関連の申請・届出書の作成代理を行います。(社会保険労務士法第2条第1項)
  • 行政書士:官公署へ提出する書類の作成・代理,権利義務や事実証明に関する書類の作成が業務範囲です。(行政書士法第1条の2第1項)
  • 海事代理士:船舶法や船員法,海上運送法等に定める申請・登記・届出の代理,書類作成を行います。(海事代理士法第1条)

各士業の業務範囲を理解することで,適切な専門家に相談しやすくなり,スムーズな対応が期待できます。今後のご相談の際にぜひご参考ください。

相続登記の促進に関する法務省と司法書士会の協業

法務省にウェブサイトに日本司法書士会連合会との相続登記促進に関する協業の告知がありました。
法務省:「あなたと家族をつなぐ相続登記 ~相続登記・遺産分割を進めましょう~

日司連で相続登記の促進事業で起用している俳優さんが,法務省の「相続登記促進親善大使」になっています。

また,長野県司法書士会も長野地方法務局とともに「エンディングノート」の作成をしました。
長野地方法務局:【「エンディングノート 長野地方法務局/長野県司法書士会」を作成しました!

このエンディングノートには,法務省のキャラクターである「トウキツネ」と「遺言書保管ガルー」と長野県のキャラクターである「アルクマ」の3つのキャラクターが,使われていて驚きです。

キャラクターはともかく,このウェブサイトによると,「ご自身の終活のため、これからの人生をより明るく前向きに過ごしていただくため、ご活用ください。」とのことです。

登記情報提供サービスの土日運用

土日も登記情報の確認や申請書を作る等ができそうです。

登記情報提供サービスが10月から土日も運用されることになったようです。
(出典:登記情報提供サービスの利用時間の拡大について

土日も謄本の内容が確認できるので,便利になります。登記申請自体は,土日対応していなので,申請は進められませんが,相談内容の確認等は早く進められそうです。

土地の数え方

土地の数え方をまとめてみました。

土地は,「筆」と数えます。発音は「ふで」の人と「ひつ」または「ぴつ」の二通りがあり、当事務所では,「ひつ」または「ぴつ」で数えます。

そこで疑問になるのは,「ひつ」か「ぴつ」かのいずれかということです。そこで、同じ数え方の鉛筆の本数等を数えるために利用する「本」,「ほん」なのか「ぼん」なのか「ぽん」なのかを参考にしてまとめてみます。実は「本」についても,日本語を母国語にしている場合にはあまり意識していませんが,日本語の勉強をする場合には難しい内容のひとつです。

 1筆 いっぴつ   1本 いっぽん
 2筆 にひつ    2本 にほん 
 3筆 さん「ぴつ」 3本 さん「ぼん」(ここだけ違う)
 4筆 よん「ひつ」 4本 よんほん (ここは,よん「ぴつ」の人もいます)
 5筆 ごひつ    5本 ごほん
 6筆 ろっぴつ   6本 ろっぽん
 7筆 ななひつ   7本 ななほん
 8筆 はっぴつ   8本 はっぽん
 9筆 きゅうひつ  9本 きゅうほん
10筆 じゅっぴつ 10本 じゅっぽん

ちなみに,「合筆」と「分筆」は,それぞれ,「がっぴつ」と「ぶんぴつ」と読みます。

「ふで」と読んだほうが楽なのかもしれませんが当事務所では「ひつ」を使ってます。

印鑑の押印がどんどん不要になっていく

脱ハンコの流れが加速していきます。

今日は、2つの手続きについて、押印義務がなくなったはなしをします。

最近出された、「不動産登記規則等の一部を改正する省令」により、不動産登記規則が改正されます。(令和3年4月1日施行 官報令和3年3月29日参照

同省令によると、筆界特定の書面申請と、法定相続情報一覧図の押印義務がなくなるようです。(新・不動産登記規則241条、同247条)

法定相続情報一覧図の押印がそのまま法務局に登録されるため、キレイに押印しなければならず、すごく気を遣ったのですが、もうその必要もなくなるかもしれませんね。
(追記 司法書士法施行規則28条により、作成書類には職印の押印義務があるので、引き続き必要なようです)

契印と割印

誤解が多いのですが、複数ページの書類の押印と同じ印影を各ページの書面と書面の間に押印するものが「契印」です。

書類について、別の書類に押印して、控えを保存しておくものが「割印」です。

しかしながら、わかりやすさから、契印を割印ということが多いのはしかたのないことです。