ブログ(業務日誌)

相続未登記の土地

毎日新聞にこのような記事がでました。
「所有者不明化 増える土地の相続未登記」
http://mainichi.jp/articles/20160609/org/00m/010/064000c

地方は特に
土地との関与が薄れているし、
土地がなりわいになりづらくなっているため
使用していたり、早く手放したいということでもない限り
未登記のまま、そのまま放置することになってしまいそうです。

他の相続人の財産権の保護という観点と
相反することもあるため、
なかなか解決の難しい問題ですね。

時効の短縮契約ってできるの?

ほとんどの請求できる権利は
その請求がなく放置すれば、
基本、時効でその請求する権利が消滅していまいます。

この時効の期間は、債権なら5年とか、
それ以外なら10年とか
民法や商法で決められています。
(例 民法162条等、商法522条)

その期間を契約で短縮してもよいものなのでしょうか。

判例では、株主の配当請求権について
定款で短縮できるといった判例はあります。
(大審院昭和2.8.3)

これに従えば、時効の短縮もしてよいという解釈も可能ですね。

ただし、消費者契約法上は
民法や商法より不利な条項は無効としていますので、
(消費者契約法10条)
消費者契約が成立する関係(同法2条3号)では
契約で短縮とされています。

契約書の細かい文字の中に
何気なく時効の短縮の条項が入っていたりするものです。
ちょっと気をつけたいものですね。

再婚禁止期間が100日となる

女性の再婚禁止期間が6か月から100日に改正されましたね。
(民法746条)
昨年された最高裁判決に対応したものです。

ほかに、選択的夫婦別姓や女性の結婚年齢の引き上げ(16→18歳)も
衆議院に提出されているようですね。
こちらのほうはどうなるのでしょうかね。

指名委員会等設置会社が急増

指名委員会等設置会社(旧会社法の委員会設置会社)が急増だそうです。
(参考 日経新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGD17HD3_X10C16A5MM8000/
475社で2年前の約4倍とか。

指名委員会等設置会社は、指名委員会と報酬委員会、監査委員会を置く会社のことで
これらの委員会は委員の過半数が社外取締役でなければいけません。
(会社法400条)

重要なのは指名委員会が、取締役の選任の議案の内容を決定するため
取締役の選出を社外取締役が中心となってすることになります。
(会社法404条1項)

これは、従来型の日本における同族会社や
親戚から取締役を選ぶという構図を
変化させる制度です。

ですから、あまり流行らなかったわけですが、
これも、昨年からのコーポレート・ガバナンスコード(企業統治指針)導入の
影響なんでしょうね。

登記識別情報の有効証明

ココロのストレスがかなり減ります。

不動産の権利書は、以前は登記済証と呼ばれる
法務局の登記済証の印章が押された書類がそれにあたりましたが、
平成18年頃から登記識別情報という、シールの貼ったパスワードに
変わっています。

これによって大きく変化したのが
この権利書はいつでも失効(無効化)できるということです。

失効の申請を法務局にすれば、
この権利書としての効果を無効にしていまいます。

でも、これって端からみて、
この権利書が失効しているかどうかはよくわかりませんし不安になります。

そこで、登記識別情報の有効証明というものがあるのですが、
いままでは、手数料もかかり、しかも申請に手間がかかって
大変なものでした。

それでも、最近オンラインで有効かの照会ができるようになって便利★

どんな感じで申請するかというと


登記識別情報通知・未失効照会
登記識別情報が通知され,かつ失効していないことについて照会します。

照会者 長野市○○番地
司法書士 ○○○○
手数料 金 0 円
平成28年○月○日照会
照会登記所名 ○○法務局

照会する登記識別情報に関する事項
 不動産番号 1000010114161
 閉鎖の有無 無

〔照会番号1〕
 登記の目的 所有権移転
 照会対象登記の受付年月日・
 受付番号 平成○年○月○日受付
甲区  受付第○○号

出てくる照会は数分で終わります。
照会番号:1
照会物件:XXXXXXXXXXXXX
照会対象登記:甲区 平成○年○月○日受付 第○○号
【回答】当該登記に係る登記識別情報が通知され、かつ、失効していません。

証明力はありませんが、
重要な登記をする前には是非やっておきたい照会ですよね。

2分前につっこんだ登記

いわゆる決済とかが絡んでいる登記は
その日に受付日を取らなければなりません。

司法書士が最も時間にしばられるのが
登記の受付日を取るための申請。。

でも、登記懈怠があって、
補正がきかない場合とか、
最悪の自体です。

この前それがあり‥

17時15分の2分前に再申請。。。。。

ギリギリでした。。

あせって出した登記のために
その申請が盛りだくさんの補正が‥

でも無事終了してよかった。。

Windows10を司法書士業務に導入して大丈夫か

ほとんどのソフトが対応したみたいですね。

総合申請ソフト 対応済
電子署名ソフト 対応済
(一部64bitですと、電子証明書のダウンロード時にわかりにくい部分がある)
マイクロソフトオフィス office2007以上なら対応
Actobat Xはアップデート後はできるらしい XI以降は対応
9以前は不明です。
登記情報提供サービス 対応済

ただ、既定のブラウザを
EdgeからInternet Explorerにするのが
すこし面倒かもしれません。

ちなみに市販ソフトは、司法くんはできるようですが、そのほかは不明です。
一太郎は2013以降はアップデート後使用可能みたいです。

当事務所は、64bitのWidnows10を使用していますが
ほとんど問題ありませんでした。

ただ、総合申請ソフトの電子署名のできない不具合については
相当焦りました。。
(参考 登記・供託オンライン申請システム
http://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/cautions/kankyo/sign_patch.html

株主リストの添付

また新しく商業登記規則の一部改正が10月1日から施行されます。

驚いたのが、登記事項で株主総会の決議事項の場合、
株主総会議事録や株主の同意書のほかに、
「株主リスト」が必要になるようです。
(参考 官報6760号 4/20、改正商業登記規則第21条)

具体的には、上位10名の株主か上位3分の2までの株主で
どちらか少ない方まで、リストを記載するようです。
(株主の同意書の場合は全員)

法人税申告書の別表2みたいなものだと思いますが、
法務省の記載例が待たれるところですね。

財産の独り占め

相続のときに、相続人のひとりが、
亡くなったかたの生前に、
財産を独り占めしていたときは
どうしますか?

相続人のひとりが亡くなったかたの財産を生前に
独り占めした場合、
厳密には、勝手に使い込んだ場合は、
亡くなったかたのものを理由も、
承諾もなく使ったということになるので
他の相続人には、不当利得返還請求権が成り立ちます。

ここで注意することは、相続のときに相続財産を計算するにあたって
使い込んだ財産を相続財産として組み入れる効果はあるのですが、
遺産分割の協議をする上の分配方法の決定ではないということです。

そうはいっても、ここがクリアされない限り、
まともに遺産分割協議なんて、できそうもないですね。。

使った相続人とほかの相続人主張の例をまとめるとは

・返還を要求する相続人
 父(母)の断りもなく勝手にお金を引き出した

・使った相続人
 父(母)と同行した、承諾を得た
 父(母)に依頼された、必要経費だった
 父(母)からもらった(贈与)

・返還を要求する相続人の反論
 父(母)が管理していなかった
 生活状況から不当に多く引き出した、経費でない
 出金や振込依頼書が父(母)の筆跡でない
 父(母)に財産管理能力がない(認知症が進んでいた)

難しいのは、使い込む相続人は同居の親族であるため
財産の管理がどうであったかなどの実態がつかみづらいということ。

これらをお互いに立証していくためには、
たくさんの証拠が必要になっていきます。