ブログ(業務日誌)

家事調停のオンライン化

家事調停のオンライン試験が公開されたようです。
朝日新聞:離婚や相続のトラブル解決の「家事調停」、ウェブ会議でオンライン化
NHK:「家事調停」で試験的にウェブ会議導入 利便性向上などに期待

東京家庭裁判所,大阪家庭裁判所 ,名古屋家庭裁判所,福岡家庭裁判所 の4家庭裁判所で今月中旬からオンラインで家事調停ができるようになるようです。

家事調停事件の場合,管轄の合意が可能なので(家事事件手続法245条),住所が管轄外であっても,双方で上記4家庭裁判所に管轄の合意できれば,オンラインで家事調停できるようになります。

離婚の調停等は,DV被害者が調停に出席しなければならない場合も多いため,オンラインで調停ができるようになれば,かなり意義があることだと思います。

相続放棄した場合でも,相続財産の保存(管理)をしなければならない場合がある

令和2年4月の民法改正で,相続放棄してどなたが相続されるかわからない相続財産の,とりあえずの管理者について,明確に規定されています。

相続放棄したかたでも,占有をしている相続財産について,他の相続人や相続財産管理人が管理を始めるまでは,管理をしなければならないことになりました。(民法940条)

例えば,森林のような土地や不要な家屋を相続放棄した場合でも,占有者は費用を出して,とりあえずの管理をしなければならないことになります。

これは,管理が煩わしい故に,あえて相続放棄を選択しても,占有者,つまり相続人から管理を任されたり,流れで管理している場合には,管理を簡単に放棄できないということになります。相続放棄をする際には注意が必要です。

多様性に基づくカップルの契約

多様性のある社会をめざした,カップルのありかたの一助となりますでしょうか。

今日は,結婚以外の婚姻についての話をします。
理由があって民法上の結婚ができないカップルも一定数おられるかと思います。せっかく家族を形成しようといても,様々なハードルがあります。そこでそのようなカップルに提案できる契約やカタチを挙げます。

1.公正証書による合意契約
 法律上の婚姻も,契約の意味合いがありますが,これに変わる契約をするということになります。基本型は日本公証人連合会が出している「パートナーシップ合意契約公正証書」があります。

2.パートナーシップ証明
 自治体にパートナーシップの証明を出してもらい,パートナーであることを公に証明してもらうものです。前述のブロクで記載しましたが,全国で100以上の自治体で可能となっています。残念ながら長野県では,松本市のみです。
(当ブログ:同性婚の外国人パートナーに在留資格

3.任意後見契約
 お互いに(双方で)任意後見契約をすることによって,どちらかが財産の管理等が自身で,できなくなった場合に,パートナーが法律上管理できるようにするための契約です。また,病院での同意等,法律上の家族でなければできないことが,できるようになる場合もあります。(病院等の相手側に理解があった場合)

4.遺言書(遺贈や包括遺贈)
 相続ほど税務上の保護がないのが難点ですが,財産の相続(遺贈)を法律上の家族にさせず,パートナーにさせることが可能です。包括遺贈(一切合切ひっくるめた相続のこと)をすることにしておけば,ほぼ相続と同じ効果が発生します。(民法990条)

今後,法律が多様な社会をもっと理解されるように変わっていくことを望みます。

シャツのアイロンの方法

最近ハマりだした(夢中になっている)のは,シャツのアイロンですが,案外難しいものです。

シャツのアイロンについて,書きます。
ワイシャツで営業や外交をされている方は,シャツのアイロンにこだわりを持っておられる方も多いかと思います。

自身でシャツにアイロンをかけて外に出かけると,気持ちいいものですが,シャツの形がいびつでアイロンを当てるのが案外難しく感じます。

アイロンのかけ方について,いくつかあるサイトが参考になります。
アイロンのかけ方の基本!ピシッとしたワイシャツの決め手は襟と袖!」(ユアマイスター社)
アイロンのかけ方」(メーカーズシャツ鎌倉社)

参考をみると,アイロン台の使い方や,温度も重要な要素のようです。仕事着にアイロンを自ら当てるの気持ちいいものです。参考にしてみてください。

土地の数え方

土地の数え方をまとめてみました。

土地は,「筆」と数えます。発音は「ふで」の人と「ひつ」または「ぴつ」の二通りがあり、当事務所では,「ひつ」または「ぴつ」で数えます。

そこで疑問になるのは,「ひつ」か「ぴつ」かのいずれかということです。そこで、同じ数え方の鉛筆の本数等を数えるために利用する「本」,「ほん」なのか「ぼん」なのか「ぽん」なのかを参考にしてまとめてみます。実は「本」についても,日本語を母国語にしている場合にはあまり意識していませんが,日本語の勉強をする場合には難しい内容のひとつです。

 1筆 いっぴつ   1本 いっぽん
 2筆 にひつ    2本 にほん 
 3筆 さん「ぴつ」 3本 さん「ぼん」(ここだけ違う)
 4筆 よん「ひつ」 4本 よんほん (ここは,よん「ぴつ」の人もいます)
 5筆 ごひつ    5本 ごほん
 6筆 ろっぴつ   6本 ろっぽん
 7筆 ななひつ   7本 ななほん
 8筆 はっぴつ   8本 はっぽん
 9筆 きゅうひつ  9本 きゅうほん
10筆 じゅっぴつ 10本 じゅっぽん

ちなみに,「合筆」と「分筆」は,それぞれ,「がっぴつ」と「ぶんぴつ」と読みます。

「ふで」と読んだほうが楽なのかもしれませんが当事務所では「ひつ」を使ってます。

ステルスマーケティング

ステルスマーケティングは,広告とわからない状態で中立的な一消費者を装って、周囲に宣伝と気付かれないように商品を宣伝する手法をいい,「やらせ」や「さくら」と批判されやすい宣伝手法です。
(参照 日経クロステック:ステルスマーケティング

ステルスマーケティングの宣伝手法は,古くから使われている手法で,社会的に話題になったところでは,オークションに芸能人を利用して広告とわからない状態で宣伝したものなどがありました。

ステルスマーケティングは,手法によっては,不当表示になることもあり,利用した企業の倫理を疑われる危険性があります。

当事務所では,ステルスマーケティングを行うほど,影響力もないので,行っておりませんが,今後司法書士もそのような広告方法は,品位を欠くということを理由に禁止されるかもしれません。

判例の誤字

一番,気になった誤字は,「大臣」→「大巨」でした。

最高裁判所のホームページでは,主要な判例を検索することができます。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

今日は,最高裁判所のホームページにある判例の誤字について話題にします。

最近,日刊スポーツの記事で,誤字が多いという記事がありました。
(日刊スポーツ:「法務大巨」「検祭官」「弁護入」裁判所HPの判例データに多数の誤字脱字)

理由は,元々は判決書をスキャンしてPDF化し,OCRにしたため,誤字になったと思われます。

やはり一番気になったのが,「法務大巨」。人でもよく間違えることがあります。私たちは,似たような字でも,学生時代や日々の漢字の学習によって,意味を考え,理解して間違えなくなっていきます。

OCRの世界でも,ビッグデータや機械学習,ディープラーニングによって誤字がなくなっていくのでしょうか。そうなった場合の知識や経験を売り物にしている我々の存在意義はどうなるのでしょうかね。

休眠会社のみなし解散

平成26年から毎年の頻度で全国の法務局において,登記後以下の年数が経過した法人について,休眠会社の整理作業を行っているようです。
 ・株式会社 12年
 ・一般社団法人,一般財団法人 5年

整理する理由に,登記制度の信頼性向上と,休眠会社利用による犯罪の防止があるようです。(参考:法務省 休眠会社・休眠一般法人の整理作業について

本年は10/14を基準として公告(官報595号9頁)され,休眠会社に相当する法人には通知がされています。

公告から2か月後以内に届出や登記がなかった場合には,解散の登記がされることになります。

ホームページサーバーの深刻な脆弱性

apacheサーバーでホームページを公開しているサーバーで深刻な脆弱性が発見されています。
(参照:piyologApache HTTP Server の深刻な脆弱性CVE-2021-41773とCVE-2021-42013についてまとめてみた」)

ドキュメントルート外のファイルを読み出せたり,apacheユーザーでリモートコードを実行できるようなので,かなり注意が必要です。