配偶者なし・兄弟姉妹ゼロ、相続人が誰もいない「その先」

相続人がゼロになると何が起きるのか

「独身で子どももいない」「兄弟姉妹、おいめいも不在」―こうした方が直面するのが、相続人が誰もいないケースです。
民法では相続人不存在の場合、最終的に財産は国庫に帰属すると定められています。
しかし、実際には、相続財産管理人の選任申立てをする人がおらず、不動産がそのまま放置されるケースもあります。
倒壊や害虫被害、固定資産税の滞納を招き、近隣に迷惑がかかる事例も後を絶ちません。

内縁の相手やいとこに財産は渡せないのか

内縁のパートナーやいとこ等と交流があっても、法定相続人でないためそのままでは財産は渡せません。
民法上、内縁の妻は法律上の配偶者として認められておらず、いとこも親族であっても、相続人の対象外なのが原則です。
どれだけ親しくしていても、遺言などの手当てをしなければ、財産を渡す手段がないのが現実です。

解決策の第一選択は遺言書

もっとも、解決策はあります。最も手軽なのが遺言書の作成です。
自筆証書遺言はお手軽に、公正証書遺言でも数万円程度から作成でき、遺言で特定の人に財産を渡す「遺贈」という形にすれば、いとこや内縁の方、友人など相続人以外へ遺産を渡すことができます。

遺贈の落とし穴は現金不足

ただし、遺贈には注意点があります。
相続人以外が受け取る場合は贈与税の扱いとなり、不動産を遺贈された受遺者は、現金で多額の税金を納めなければならないケースがあります。
受贈者側の資金確保まで見越して、現金や生命保険の併用を検討する必要があります。

備えは早めに

相続人がいない問題は、事前の備えでほぼ解決できます。
ただ、遺言書が自身で作成できなくなったら、手段がなくなってしまいます。
「自分が死んだら遺産はどうなるのか」と気になったら、身近の方のためにも、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。

自筆証書の遺言書のひな形変更

以前ひな形を公開しましたが(自筆証書遺言の原稿用紙の公開について)、余白を法務局保管用に修正しましたので、再アップします。

自筆証書遺言原稿(PDF)


主な修正は左側の余白です。

記載例は以前と同様です。

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当事務所では、封筒に「遺言書」などと明記し,検認の注意書きと日付・氏名を書いて封印しておくことをおすすめしています。


遺言書は法律的な文書でも最も難しいものの部類に入ります。

作成の際はぜひ司法書士等の専門家にご相談ください。

自筆証書遺言書のススメ

相続トラブルを防ぐためには、遺言書を作成しておくことが有効です。
当事務所では、基本的には公正証書遺言(参考 日本公証人連合会「2遺言」)をおすすめしていますが、場合によっては、手軽に作成できる自筆証書遺言をおすすめすることもあります。

自筆証書遺言は、ご自身で全文を書く遺言書です。
公証人の手続きが不要なため、比較的早く作成でき、費用も抑えられるというメリットがあります。

一方で、亡くなった後には家庭裁判所での検認手続きが必要になります。
もっとも、現在は法務局の遺言書保管制度があり、この制度を利用した場合には検認は不要になります。
(参考 法務省「自筆証書遺言書保管制度」)

では、どのような場合に自筆証書遺言をおすすめするのでしょうか。
公正証書遺言は、公証人の面前で証人を立てて作成する必要があるため、次のような場合には自筆証書遺言をおすすめすることがあります。

・公証人等、他人の面前で話すことが苦手であったり、難しい
・証人2名を用意することが難しい
・公正証書遺言の費用をかけることが難しい
・公正証書で作るほど内容が定まっておらず、変更する可能性がある

遺言書は、元気なうちに準備しておくほうが無難です。
自筆証書遺言の作成を検討されている方は、お気軽にご相談ください。