地上権・永小作権が残っている場合があります

この4月の不動産登記法一部改正によって,地上権,永小作権,不動産質権,不動産賃借権や買戻特約の存続期間が満了している場合に,その権利者の所在が判明しないときには,土地建物の所有者は,単独で抹消申請することができるようになりました。
(不動産登記法 第70条第2項)

詳しくは以下の法務省の通達にあります。
法務省民二第538号:令 和5年3月28日 法務省民事局長通達 民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて・第2-2-(2)除権決定による登記の抹消等

今までは,永小作権などの権利で明らかに存続期間が満了している場合にも,永小作権者の協力なしには,抹消登記することがなかなか難しかったのですが,非訟事件手続法上の除権決定を得て抹消する方法も検討できることになります。

明治・大正の地上権,永小作権が土地に設定されているというのを相続手続きのときに稀に発見することもありますので,ご自身の土地についても確認してみてください。

永小作権の例

Fedora37→38

Fedoraディストーションメジャーアップデートしたようなので,業務サーバーのバージョンをアップしました。

方法は,

dnf system-upgrade download --releasever=38
dnf system-upgrade reboot

これだけでした。

アップデートした後,業務で使用しているNextcloudが,PHPのバージョンチェックに引っかかってしまうので,「/usr/share/nextcloud/lib/versioncheck.php」にある

if (PHP_VERSION_ID >= 8xxxx) {
http_response_code(500);
echo ‘This version of Nextcloud is not compatible with > PHP 8.0.
‘;
echo ‘You are currently running ‘ . PHP_VERSION . ‘.’;
exit(-1);
}

を”/*”と”*/”でコメントアウトしました。

PHPのバージョンはそのままでも問題なくNextcloudは起動できました。

AIとChatGPT,そして道徳的問題

信頼性と社会的影響が懸念されています。

ChatGPTと道徳的問題について話をします。

ChatGPTというAIを利用したチャット装置が話題になっています。使ってみると分かるのですが,質問すると,説明口調で大変丁寧な返答をします。チャットで出された返答を行政文書に利用する等の検討もされているようです。
(参考 日本経済新聞社:「河野太郎デジタル相、ChatGPT「なるべく早く行政に」」)

士業においても,非常にChatGPTによる文書作成能力について,大きな興味と不安が広がっているところです。弁護士等の士業の相談業務を奪うという懸念もされています。
(参考 アゴラ ,行政書士 横須賀 輝尚氏:「ChatGPTは、弁護士や税理士など士業の相談業務を奪うのか?」)

登記のことや法律解釈等について質問してみると,まだまだ正確性に欠く回答も多いですが(弊所ツイッター参照),装置側が学習することによって,いずれは一般的な答えについては,正確性の高いものとなっていきそうです。

しかしながら,将来性の高い便利な装置にも感じますが,研究者等からは,その回答について,道徳的に問題があるとの懸念が示されています。
(PC Wacth :「ChatGPTが人間の道徳的判断に影響を与え得るとする研究結果」)

AIが出す答えが道徳的に問題があるというのは,自動運転を例として社会心理学者等の間からは,先に懸念が示されています。
(例 日本心理学会,谷辺哲史博士「人工知能による判断の自動化と道徳的問題」)

今後,士業がする判断をAIに一部させる場合においても,脱法的返答(利益相反や他人をかえりみないで自己利益のみの内容等)や,非違行為(知られなければ法律違反をしてもよいという内容等)をどう扱うかが,必ず問題になってくるものと思われます。

新年度を迎えて

新入社員のかたは,入社おめでとうございます。
慣れていくのは大変かと思いますが,ご自愛ください。

ところで,4月新年度は様々なシステムトラブルがありました。

1.NTT東日本,西日本の通信障害
(NHK:「NTT東と西の通信障害 海外メーカー製の通信装置で同時に障害」)
2.全日空の国内線システムの不具合
(TBS NEWS DIG「国内線システム不具合でANAが会見 原因は「国内旅客システムのデータベースが停止」 約2万7000人に影響」)
3.Suica決済の不具合
(毎日新聞:「Suica決済、一時利用不可 サーバー故障 電車やバスに影響なし」)

新年度に入ったのが起因しているかは,不明ですが,オンラインで様々なインフラのシステムが利用されていますので,年度や年の変わり目はトラブルに注意が必要ですね。

アメリカとスイスの銀行の破綻

預金の急激な移動と債券市場の動向が影響しているようです。

今日は,3月に生じている金融の混乱の話をします。

背景が少々難しく,銀行破綻の理由もわかりにくいため,ニュースを参考によく読み解いていく必要があります。。
(NHK:「相次ぐ銀行破綻 アメリカで何が起きている?背景に何が…」)

破綻している銀行は以下のとおりです。
1.シリコンバレーバンク
 アメリカ地銀で2番目の規模の破綻のようです。
2.シグネチャーバンク
 同じくアメリカの地銀です。暗号資産業者への取引が引き金のよう。
3.クレディ・スイス銀行
 スイスの投資銀行で,AT1債(自己資本に組み入れられる劣後債)が無効化されるということで物議を醸し出しました。
4.シルバーゲートキャピタル
 暗号資産業者を中心とする銀行で,同業種の経営難が影響しているようです。


また,次の銀行も懸念が示されています。
・ファースト・リパブリック銀行
 アメリカの地銀で,預金の流出で株価が暴落。
・パックウェスト銀行
 アメリカの地銀で,預金の大量流出が報道されました。

いずれも,預金の流出が発端のようで,預金の流出は,「デジタル・バンクラン」と呼ばれる,SNS等による口コミによるものと,ネットバンキングによる資金移動のしやすさが主な理由のようです。
(参考 ロイター:「コラム:デジタル・バンクランと債券急落、年後半の日本経済に下押し圧力」)

預金の流出により,流動資金を用意するため,銀行が債券を売却しますが,金利(国債利回り等)の上昇による最近の債券市場の価格低下が起きており,債券売却時の評価損が,銀行の財務状況を悪化させているようです。
(参考 東洋経済新報社:「配当不能に?「評価損」で地銀を襲う新たなリスク」)

アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)はそれでも,インフレ対策として,政策金利を上げ続けているため,さらなる金融システムへの混乱が生じないか,心配なところです。
(参考:NHK「FRB 0.25%利上げを決定 インフレを抑えこむ決意打ち出す」)

住宅取得資金の贈与税の減免

問い合わせがありましたので,調べてみました。

今日は,贈与のうち,住宅取得資金については,贈与税の減免があるはなしをします。

住宅を取得する際に,父母や祖父母から,資金の提供を受けた際に,一定の要件を満たせば,「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」とされる,贈与税の減免を受けられます。
(参考 国税庁:「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」)

混同しやすいものとして,住宅ローン減税がありますが,ローンを受けて所得税の控除を受けるものとは違い,贈与税を対象とした減免となります。

省エネ等住宅の場合には1,000万円まで,それ以外の住宅には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となるようです。

建物の取得だけではなく,土地の購入資金も取得時期によっては,対象となります。
(参考 国税庁:「住宅用家屋を新築するための土地の購入資金に充てるために金銭の贈与を受けた場合における住宅取得等資金の贈与の特例の適用の可否」)

注意点としては,申告が必要なことと,ローンの返済に当てた場合は対象にはならないようです。
(参考 国税庁:「タックスアンサー 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」)

税の分野であるため,詳しくは税務署か税理士にお問い合わせください。

給与ファクタリング(給与の債権譲渡による金銭交付)は貸付け

給与債権の債権譲渡を対象とした金銭交付が,貸金業法や出資法の貸付けに当たると最高裁で判断されました。(最高裁令和5年2月20日決定


よって,給与ファクタリングの業者は,貸金業法上の登録が必要であり,出資法(出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律)5条の高金利処罰の対象となります。

このスキームは,給与を業者に債権譲渡して金銭の貸出しをし,債権の買戻しをすることによって返済する仕組みです。

客が買戻しを期限内にすれば,給与ファクタリングをしたことについて,勤務先に分かることはありませんが,期限内に買戻しができなければ,業者が会社に給与を請求することにより,会社に分かってしまいます。

このスキームによって,客に事実上買戻しを強制することになるため,貸付けであると判断されたようです。(参考:朝日新聞【給料ファクタリング「貸金業法の貸し付けにあたる」 最高裁が初判断】

いらない土地のみを放棄する「相続土地国庫帰属制度」の開始

4/27から「相続土地国庫帰属制度」が始まるそうです。
法務省:「相続土地国庫帰属制度について」)

相続した土地で,負担が大きい等土地を手放したい場合に,国の資産である国庫に帰属させることができるようになる制度です。

所有者が申請し,法務大臣(法務局)の審査と承認を経て国庫に帰属させます。

承認の条件として,1筆最低20万円の負担金が必要なことと,土地の要件として,以下のものが挙げられています。
・建物がない
・抵当権等の担保設定がない
・通路,道路に使用されていない
・土壌汚染されていない
・境界に争いがない
・崖でない
・車両等の工作物がない
・森林でない場合は樹木がない
・森林の場合,森林整備計画に定めた造林,間伐等に適合している
・地下に産業廃棄物等がない
・土砂崩れ等の災害の発生のおそれがない
・鳥獣,病害虫が生息していない(軽微なものはOK)

これだけ条件が厳しいと,そもそも民間で売れる土地のような気もしますが…
運用が明らかになってきましたので,今後,不要な土地について,相続放棄や売却とともに検討に加えていただければと思います。

キラキラネームを認めるのか否か

戸籍に読みがな(ふりがな)をつける戸籍法改正案が法制審議会の部会で検討されています。(NHK:【行きすぎの「キラキラネーム」は戸籍記載せず 法改正の要綱案】)

このニュースによると,いわゆるキラキラネームについては,今後法律施行までに通達で方針を示すようです。

法務大臣は,2/3の閣議後記者会見で,
「要綱案においては、一般に認められている読み方以外の読み方でありましても、現にその読み方を使用していることを証することができる書面、そういったものを添付した上で届出がなされた場合には、これを認めることとしている」
としています。(法務省:「法務大臣閣議後記者会見の概要 令和5年2月3日(金)」)

一般に認められている読み方以外でも,認める方針のようで,どこまでキラキラネームが認められるか注目されるところです。