ブログ(業務日誌)

株式分割をする会社が増加

上場企業の株式分割によって,株の取引が促進されます。

1株を1万円以下や5千円以下にするなど,投資促進のため,株式分割をする上場企業が増加しているようです。
(参考 NHK:【「株式分割」実施する企業が増加 NISA拡充で個人投資呼び込む】)
7月までに株式分割した上場企業は,139社だそうです。

株式分割とは,資本等を変えないで,基準日に所有している株主の株式を1株あたり数株の割合で増加させることをいいます。(会社法第183条各項)

上場企業が株式分割をする要因としては,株価の高騰により,1株あたりの株価が増加し,本邦の株式市場ですと,ほとんどの会社の単位株式数が100株のため,例として株価が1万円以上の1回の取引で100万円以上になってしまいます。そこで,株式分割により,1株あたりの単価を下げて,1回あたり数十万円程度で取引できるようにしたり,場合によっては,1株あたりの株価を2,000円以下にして,1回の取引を20万円以下にすることで,さらに投資を呼び込もうとしています。
(参考 会社四季報オンライン編集部【2024年8月に基準日を設定して「株式分割」する銘柄一覧】)

ただし,多くの人が当該株式の取引に参入してきた場合には,NISAによる取引の増加要因を含めて,株価の乱高下が激しくなることもありますので,慎重な判断も必要かと思います。

相続登記の義務化になったからこその生前対策

土地や建物などの不動産の相続登記が義務化となり,相続人の誰か(または誰から複数人)がその不動産を受け継ぐことが比較的明確になるようになりました。

不動産にある程度の価値があれば,利用できたり,資産として持っていて安心といったこともあるのかもしれませんが,地方の場合には不動産に価値がない場合も少なくなく,相続しても負担の増すだけということもあります。

実際価値の少ない不動産を相続してしまった場合の,相続対策はあまり選択の余地がなく,泣く泣く固定資産税を払ったり,多額の管理費用を負担する場合も少なくありません。そこで,生きているうちにできることをするという,いわゆる「生前対策」を検討していくのもひとつの選択肢となります。

そこで,生前対策を負担の少ない順番で列挙してみます。

負 ・現在の登記の調査,地図の調査
担 ・エンディングノート作成
↓↓ ・遺言書作成
  ・賃貸借契約
  ・休眠担保の解除・抹消
  ・境界確定,分合筆,地目変更
  ・家族間の贈与,他人間の贈与,共有物分割
  ・家族信託,その他の信託
  ・売却や処分
  ・アパート建築等による税対策
  ・不動産管理会社の設立,不動産財産の法人化

今までのご依頼いただいた相続人様におかれましても,被相続人様が生前対策を全くされていない場合も少なくありません。相続登記義務化になるまでは,多少相続後の負担が見込まれる場合でも,見て見ぬふりができました。今後は,できる範囲で生前対策をされてみるのも検討してみてください。

火葬費用の高騰

公的部門の民営化や指定管理者制度のひとつの弊害なんでしょうか。

東京都の火葬費用が9万円に達しているという記事がありました。
(東京新聞【「費用が高くて」火葬を拒む遺族も 東京23区内の特殊事情とは 関係者「別れの機会奪うなら…切ない」】)
(日本経済新聞社「東京の火葬料、千葉の15倍 民営がコスト増を積極転嫁」)

高騰の理由としては,大手の民間業者の寡占状態となっていることや,価格設定に許認可がないこと等があるようです。燃料費や人件費の高騰はあるのものの,価格の設定が利益の拡大を目的としているいう意見もあります。宗教的な理由を除けば,ほとんどの人が通る道でもあり,公的な性格も強いため,さらなる価格が上昇を懸念せざるを得ません。

ちなみに長野市では15,000円(参考 長野市役所「斎場(火葬場)」)だそうです。

農地の評価の過大算出

国税庁にとっては,痛い出来事なんでしょうか。

相続税と贈与税の歳出の基準となる課税の評価額は,農地ついては,純農地,中間農地,市街化周辺農地,市街化農地と区分に分かれており,算定方法が各区分で異なります。
(参考 国税庁「No.4623 農地の評価」)

市街化農地の区分の場合には,宅地の路線価等の額に「宅地造成費」を控除した額が評価額になります。この宅地造成費の算定が一部で間違っていたようです。(日経新聞「農地の相続・贈与税、過大算出か 関東信越・大阪国税など」)

関東信越国税局と大阪国税局(本年度分),高松国税局(令和元年度分)の3局管内の一部地域で誤りがあったとのこと。対象の地域の農地で申告された分については,局から連絡が行くそうです。

外部の指摘で分かったようですが,相続税の計算はとても複雑そうなので,なかなか見つけづらいものなのでしょうが,過大に算出されていたというニュースは,びっくりする内容でした。

株価が落ちることの一考

日経平均株価が歴代2位の下落率というというニュースがありました。終値ベースで-2,216円だそうです。
(日本経済新聞社「日経平均株価の下落幅とは ブラックマンデー時3836円安」)

おそろしく平均株価が下落したわけですが,理由としては,日本経済新聞社の分析によると,「売りが売りを呼ぶ」プログラム取引の影響だとしています。そのほかに元の売りの発端等を分析すると,理由は様々ですが,特にアメリカの景気後退局面における利下げや,日本銀行の量的緩和政策解消に伴う利上げの要因による株価の調整局面であったというものがあります。
(参考:ロイター「日経平均は大幅続落、円高と米景気減速感で 今年最大の下げ」)

本年の新NISAに伴う投資の需要の増加により,多額の資金が投資信託マーケットに流入により,今までは株価を押し上げていたのかもしれませんが,今回の下落傾向は,NISAを利用されている方にもかなりの心理的な影響を与えます。
(参考:野村総合研究所「新NISAが投信マーケットに与えた影響をビジュアル化してみた
(参考:日本経済新聞社「海外株投信の資金流入最高 1〜6月、新NISA開始で」)

今回の株価下落で短期的には痛い目をみるかたもおられるでしょうが,投資先は慎重に検討を促すよい機会になればと思います。

相続放棄の申述件数が毎年増加

最高裁判所発表の相続放棄の申述受理件数が令和5年度で,282,758件で,令和4年度と比較して,22,288件増になったようです。
(最高裁判所事務総局「令和5年 司法統計年報 3家事編」6頁)

相続放棄の理由としては,昔から負債総額が大きいときに選択されることが多いのですが,そのほかに,いわゆる「負の不動産」といわれる,処分や維持の難しい不動産から逃れようとしている場合も多いです。
(参考:FNN「【実家の相続を放棄したい理由ランキング】経験者201人アンケート調査」)

相続放棄の申述は,申立の可能期間が3か月以内となっているため,早めに結論を出して,早めに司法書士や弁護士にご依頼ください。

Nextcloudでアップデートで「Internal Server Error」が発生

世間では,Windowsパソコンで世界規模の障害が発生し,航空会社のシステム等で影響があったようです。
(参考:TBS NEWS DIG「Windows世界規模システム障害 原因はセキュリティソフト」)

セキュリティソフトの不具合のみで,世界規模の障害が起きてしまうとはとても恐ろしいことですし,この世界規模の障害のようにWindowsパソコンでブルー画面が発生した場合には,その原因がわかるまで非常にあせってしまいます。

当事務所でもいろいろなシステムを利用していますが,その一つにデータ保管のクラウドサーバーとしてNextcloudサーバーを利用しています。

クラウドサーバーは,一般的にgoogleドライブOne Driveを利用する方法もありますが,特に重要な個人情報を扱うため,さすがにグローバルサーバーを安易に利用することができません。どこで急にハッキングされたり,漏れたりするかわからないからです。また,一般的なクラウドサービスは,そのサービス会社の従業員であれば,中身を覗けるという情報も存在します。

その点,自社のNextcloudでは,物理的に自社内でFedoraサーバーを構築しており,あくまでもイントラネット上でのみ使用しているため,外部に情報が出ることはまずあり得ません。よって,セキュリティ的には安心なのですが,問題なのは不具合が発生した場合には自身で修復しなければなりません。

最近の問題点として,Nextcloudが29.0.3にアップデートしたところ,アクセス中「Internal Server Error」が発生しました。error_logを調べると

[時刻] [core:alert] [pid xxxx:tid xxxx] [client 127.xxx.xxx.xxx:xxxx] /usr/share/nextcloud/.htaccess: ErrorDocument not allowed here

が記録されました。

全くデータの同期がされなくなり,大変困りましたが,Fedoraでは以下の方法で修復できました。

vi /etc/httpd/conf.d/nextcloud-(利用しているもの).inc

#Apache 2.4 以降に追記↓
AllowOverride All

FedoraでNextcloudを利用するかたは,参考にしてみてください。

住所が移せない場合でも「入居見込み確認書」で,住宅用家屋証明が対応できる

市区町村役場が発行する住宅用家屋証明書(所有権保存登記や抵当権設定登記の登録免許税を低減するために必要な証明書)を取得する際には,通常,あらかじめ,個人の居住の用に供したことを証明するため,その家屋に住所を移転しておく必要があります。
(租税特別措置法第72条の2,同施行令第41条等)

住宅用家屋証明書があれば,登記の手数料となる登録免許税が保存登記で0.4%が0.15%となり,かなりの登記費用の低減となります。住宅用家屋証明書の確実な取得が必須となるため,建物の完成後,住所を移してから登記する順番となるため,登記の申請をする際,かなり忙しい状況で住宅用家屋証明書を取得しなければなりません。

本年7月から住宅用家屋証明書の取得の際,市区町村への住民票の写しの提出がなくとも,「入居見込み確認書」の提出で対応できるようになったようです。
(国土交通省「住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置」の証明書の様式等 参照)

上記の確認書は宅建業者の証明となりますので,今後,家屋の買主様と連携を密にしてその確認をしていただくことになっていきそうです。

令和6年度路線価の公表

令和6年分の財産評価基準(路線価)が公表されました。
場所「国税庁:令和6年分財産評価基準を見る

土地の価格には,
・路線価 (今回の価格)
・固定資産評価額 (参考:総務省「固定資産税の概要」)
・公示価格 (参考:国土交通省「地価公示」)
・実勢価格 (査定の依頼など,例 国土交通省 「不動産情報ライブラリ」)
の4つの価格があります。(一物四価)

今回の路線価の主な使い道は,相続税と贈与税の算定です。
(国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)

前年度分(令和5年度分)も閲覧できるため,ご自身のお持ちの土地を前年度と比較してみるのもいいのではないでしょうか。

デジタル資産や暗号資産の相続はわかりづらい

故人の資産の保管場所を相続人に教えておかない場合も多いです。

集英社にデジタル資産の相続税の申告忘れの記事がありました。
参照 集英社オンライン:【現代の相続問題で一番気をつけるべきは「デジタル資産」。申告忘れには加算税や延滞税が上乗せされる…相続専門税理士が指摘する3つの問題点とは

故人の資産のうち,デジタル資産や暗号資産を知らないところで探すということは,とてつもなく大変なことです。書面の取引であれば,四半期に1回程度,有価証券の取引履歴が証券会社や信託銀行から送付されてきたり,銀行の通帳があったりしますが,デジタル資産や暗号資産の場合には,契約から取引履歴まて,オンライン上で完結している場合も多く,すぐに探し出すというわけにはいきません。
(例 SBI証券「電子交付」,松井証券「取引しましたが取引報告書等が送られてきません。」)

探すことに着手するにしても,金融機関数だけでも,1,382件程度。(2024年5月31日現在 日本金融通信社:「最新の業態別金融機関数」)その中でもネット銀行にあたる,その他銀行だけでも15行,証券会社で271法人も存在するため,調査するにもなかなかの労力と費用がかかります。
また,暗号資産取引所も32社(2024年6月3日現在)あるそうです。(日本暗号資産取引業協会「統計情報」)

できれば,デジタル資産をお持ちのかたは,「エンディングノート」等(参考:長野地方法務局/長野県司法書士会「エンディングノートを作成しました」)を活用していただき,デジタル資産や暗号資産の口座の取引先を1年に1回程度記録しておいたほうがよいかと思います。

参考までに,暗号資産は,故人の相続人が請求しないと消滅時効にかかることもあります。(参考 日本暗号資産取引業協会:「暗号資産取引業における主要な経理処理例示」Ⅲ 経理処理等)その場合は,多額の暗号資産を喪失することもありますので,注意が必要です。