送り付け商法対策

特定商取引法の一部が改正されて、「売買契約に基づかないで送付された商品」(いわゆる、送り付け商法、ネガティブオプションともいう)の対策といて、すぐにその商品が処分できることになりました。

いままでは、一方的に商品を送りつけてくる、送り付け商法について、その商品を14日の保管しなければなりませんでしたが、6月7日施行分からすぐに処分できることになりました。(特定商取引法第59条と第59条の2)

送り付け商法は、こんな例があるようです。
 マスク
 健康食品
 魚介類

国民生活センターでもが記載されています。(国民生活センター:健康食品や魚介類の送りつけ商法

基本的には、代金を支払う必要はありません。特定商取引法により、消費者が自由に処分してよいことになっています。
 

相続登記のあとに不動産業者からDMが来るらしい

相続登記を行った、司法書士が知らせているわけではありません!

相続登記後にDMが来ることについて説明します。
相続登記後、不動産業者から売って欲しいという、かなりのDMが相続人のもとに来る場合があります。
(出典:京都新聞「なぜ?土地相続した途端に不動産会社から大量DM 情報つかむカラクリとは」)

DMがなぜ送られてきて、どのように相続人の存在を調査したのが疑問になりますが、司法書士が不動産業者に教えているということは、絶対にないです。司法書士は法律上、仕事に対する守秘義務が課せられているからです。

では、どのように入手しているかというと、ダイヤモンド不動産研究所に興味深い記事がありました。情報を入手している業者は、行政(法務局)に対する情報開示請求を利用しているようです。
(参考:ダイヤモンド不動産研究所「不動産を相続すると、なぜ電話やDMが来るの?」)

情報開示請求によれば、かなり安価に入手できるので、司法書士等から無理やり聞き出す必要もないようです。会社設立の登記でも同様にDMが送られてきているようですが、司法書士が教えているという誤解がないようにお願いいたします。

マイナンバーカードの交付率が30%到達

マイナンバーカードの交付率が全国の人口比で30%に到達したようです。
【内閣府:マイナンバーカード交付状況(令和3年5月1日現在)参照】

長野県は、若干低く、24.9%だそうです。

マイナンバーカードがあれば、コンビニエンスストアで印鑑証明書や住民票の写しの取得が可能です。これらの住民票等の裏面には、ブツブツした点の集合みたいなものが印刷されています。これは、点が暗号になっていて、復号すると表の印刷面と同じものであるかを確認できるようになっています。

事務所に来所いただくかたの中でも、マイナンバーカードによる住民票等を持ってくるかたもかなり増えてきました。市町村役場の開所時間以外でも取得できるのが便利なのだと思われます。

個人の確定申告においても、e-taxを用いた申告をする場合、添付書類の省略ができたり、ネット上のみで申告ができたりと、なかなか便利なことも多いです。

また、昨年から健康保険証としても利用できるようになったため、今後のマイナンバーカードの利用の増加していくかと思います。
(参照 マイナポータル:マイナンバーカードの健康保険証利用

会計参与の制度をもっと使いましょう

株式会社に「会計参与」という任意の制度があります。

今日は、会計参与のはなしをします。

会計参与は、株式会社において、取締役と共同して計算書類等(貸借対照表や損益計算書など)を作成する職務を行い(会社法374条1項)、株主・債権者にその計算書類等の備置と開示義務を負います。(会社法378条1項、2項)

また、会計参与は、中小企業で選任されることが想定されており【法制審議会会社法(現代化関係)部会第23回会議(平成16年6月2日開催) 議事録参照】、その資格は、公認会計士又は、税理士でなくてはなりません。

「第6回 税理士実態調査報告書」(税理士でないと見ることができないため内容省略)では、税理士のうち、会計参与に就任しているのは、2.0%にすぎないそうです。

あまり利用されていない会計参与の制度ではありますが、建設業の経営審査や会社の信用にもつながるため、今後の制度改正も含めた利用に期待したいところです。

公証制度にかかる電子化

電子化は、これからのようです。

今日は、公正証書作成の電子化のはなしをします。
公正証書は、公証人役場で費用を払って作成してもらいますが、法律上公正証書が要件となっていたり(例 株式会社の定款、事業用借地権契約書)、より公正証書のほうが、安全性が保てる書類等(例 公正証書遺言)があります。

これら公正証書の作成は、通常公証人と対面により、本人性と内容を確認しますが、近年、定款の作成など、テレビ電話によってできるようになりました。

公証事務嘱託
請求手続き
嘱託人と公証人の対面の有無交付手続き手数料納付
公正証書の作成対面対面書面交付原則対面
定款・私署証書の認証オンライン可
(事前に電話・ファックスの連絡必要)
原則対面
(一定の場合テレビ電話可)
(その場で電子媒体で手交可)
電子送信
ネットバンク可
日付情報の付与オンライン可
(事前に電話・ファックスの連絡必要)
なし電子送信原則対面
公証事務のオンライン/対面の別
【出典:内閣府 第14回 投資等ワーキング・グループ
  公証制度における対面手続のオンライン化(新経済連盟提出資料)

今後、本人の意思確認や、民事訴訟手続との連携が課題となっているようですが、電子化がもっと進んでいくようです。

自筆の遺言(自筆証書遺言)の保管制度

法務局への予約が殺到しているようです。

今日は、自筆の遺言の保管制度の話をします。

昨年の7月から自筆の遺言を法務局に保管する制度が始まっています。
遺言には、自筆と公正証書と大きく分けて2つがありますが、自筆の遺言では、被相続人の死後、証拠保全のため、家庭裁判所の検認の手続きが必要となります。

しかしながら、保管制度のメリットとして、自筆の遺言を法務局に保管することによって、検認が不要です。

また、自筆の遺言は、相続人に発見されなかったり、改ざんされたりする場合もあるため、保管制度を利用することによって、管理上のトラブルを防ぐことができます。

令和3年3月までの利用状況は、16,721件だそうです。
法務省資料:自筆証書遺言書保管制度の関連資料・リンク集

遺言書の有効・無効は、実質審査されませんが、遺言書を金庫に入れておくよりは、より確実な制度と言えそうです。

同性婚の外国人パートナーに在留資格

読売新聞の記事(【独自】日本人との「同性婚」が海外で認められた外国人パートナーに在留資格…政府検討

現在、日本国内法では、同性婚は認められていないものの、同性婚証明(パートナーシップ証明)を出している自治体は、103の自治体だそうです。長野県では、松本市のみ。
(令和3年3月現在、「渋谷区 全国パートナーシップ制度共同調査」参照)

制度上も広く権利が認められる方向に向かえばと思います。

相続登記義務化のニュース

司法書士業界のみならず、インパクトの強いはなしです。

今日は、相続登記義務化の法案が4月21日に参議院で可決成立してのを受けた、ニュースについて集めてみました。

日本経済新聞 「相続登記の義務化、24年めど 所有者不明土地法が成立
毎日新聞 【土地の相続登記、義務化 「所有者不明」防ぐ 改正法成立
讀賣新聞 「不明土地対策 改正法成立…23年度にも施行 相続登記を義務化
中日新聞 【相続登記「センターへ相談を」 義務化受け県司法書士会
西日本新聞 「土地の相続登記を義務化
アットプレス 【-「相続登記の義務化」を含む3つの法律案が成立-  民法・不動産登記法等を改正する法律案の成立に伴う 会長声明を発表
マイナビニュース「相続登記の義務化と手続きの簡略化で所有者不明土地の問題解決へ。放置物件の有効利用は進むか?

論調は、さまざまですが、所有者不明の不動産対策と言えそうです。

夫婦別姓訴訟

まとめると、こうなります。

現在、
・日本人同士の法律婚
  同性を強制
・日本人と外国人の法律婚
  選択的夫婦別姓
  (法の適用に関する通則法25条、民法750条の適用除外)
  子供は日本国籍の姓を強制
  (戸籍法18条 日本の戸籍に入る場合)
・外国で日本人同士の法律婚
  婚姻した外国の方式を適用して、選択的夫婦別姓の婚姻は有効
  ただし戸籍法での記録の方法がない
  (東京地裁判例 日経新聞 夫婦別姓訴訟、戸籍記載認めず 海外婚は「有効」

今後、どのように議論が展開するのでしょうか。

名前のよみかたの法制化

氏名の読み仮名について、戸籍上で記載されるよう法制化が検討されているようです。
(時事通信 「氏名読み仮名、法制化へ 戸籍法改正案、23年提出目指す―法務省」)

以前から「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ(第3回)」においても議論されているようです。

現在では、出生届には、「よみかた」を記入し、住民基本台帳上(一部住民票上)で運用されていますが、戸籍には利用されていません。

よみかたの戸籍上の利用と変更について、法制化を検討しているようです。

以前、法務省民事局が設置した「戸籍制度に関する研究会」において、ふりがなの記載について、様々な課題が出されています。

1.ふりがなが法的に氏や名の一部となるか否か
2.全く関係のない読み仮名の取扱いをどうするか
3.届出に係る国民の負担と、市区町村の作業量が膨大であること
4.同じ氏の親族で、異なる氏の読み仮名が届け出られた場合の取扱い